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オワコン化した従来教育、捨てられる教師の末路 平成の価値観が通用しないZ世代が親になる頃に危機

東洋経済オンライン / 2024年1月10日 6時50分

では、そんな世代交代に伴う価値観の変化や社会的要請に応えるために、日本の学校教育は、どう具体的に変わっていったらいいのでしょうか。すでに詰んでいるに等しい状況でも、そこから立て直していく道はあるか。もちろん、道はあります。

「ブルーム・タキソノミー」で考える教育の本質

かつてはGoogle検索、昨今では生成AIと、テクノロジーの進化により便利なツールが登場するたびに、その是非が教育界では議論されてきました。教育に携わる者として最新テクノロジーの何たるかを知り、いかに活用するか、あるいはいかに警戒するかを議論することは、たしかに重要です。

しかし、どれほどテクノロジーが発達しようとも、現代と未来の教育において本質的に重要なことは変わらないのではないでしょうか。

それは、未来ある子どもたちが、それぞれの個性を損なわれることなく探究心旺盛に学び、それぞれの特質に基づいた能力を花開かせる手伝いをすることです。そんな学校教育を叶えるために、最新テクノロジーをどう活用していったらいいのか。そういう議論ならば大いに交わし、筋のよいアイデアは積極的に実装していくべきでしょう。そのために、ここではまず、先に述べた教育の本質についてもう少し深く考えておきたいと思います。

学習指導要領の変遷にも見られるように、学校教育の目的は時代ごとに移り変わってきました。たとえば戦後間のないころには「基礎学力」が重んじられ、そこから、いわゆる画一的な「詰め込み教育」が始まりました。

それが現代では、知識の詰め込みよりも「主体的・対話的で深い学び」が重んじられるようになっています。生徒たちの主体性に重きを置く「アクティブ・ラーニング」という概念も生まれました。

かつては日本の社会・経済復興を支える人材創出のため、足並み揃えてテストで点数を取らせることに重きが置かれていました。

しかし今では、社会がより多様化するなかで、一人ひとりの特性や得意分野を伸ばすことが重視されるようになってきている、そう言ってもいいでしょう。そこで近年、教育のプロセスの指標として「ブルーム・タキソノミー」という分類法が注目されています。

「思考で遊べる授業」へ

ブルーム・タキソノミーとは、1973年にアメリカの認知心理学者ベンジャミン・ブルームの研究チームによって作成されました。その改訂版(2001年版)では図のように、「知識」「理解」に始まり「評価」に至る教育のプロセスが分類されています。

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