1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

オワコン化した従来教育、捨てられる教師の末路 平成の価値観が通用しないZ世代が親になる頃に危機

東洋経済オンライン / 2024年1月10日 6時50分

日本の従来の学校教育は、「知識」「理解」「応用」までをカバーしてきました。授けられた知識を正確に理解し、それを応用して物事を推測する能力を身につけさせるところまでが学校教育の役割だった。「右に倣え、前に倣え」式で経済を発展させていた一昔前ならば、それで十分でした。

しかし今は違います。「知識」「理解」「応用」のうえで物事を分類、構造的に理解し、予測を立てる「分析」の能力。そのうえで物事のさまざまな要素を集めてきて編集し、そこから仮説を立てて新しいことを構想し、自分なりの価値観や哲学、信念をもって自己決定を下す「評価」の能力。さらに何かを生み出す「創造」の能力──。

「知識」「理解」「応用」までは正解のある低次思考である一方、「分析」「評価」「創造」は正解のない高次思考です。正解のない問いについて、知識を基に論理的、多角的に迫り、個別・具体的な認知とメタ的・俯瞰的認知を行き来しながら、最終的には自分軸に従って決定を下し、新しい価値などを創造する。

こんなふうに、思考を自由に遊ばせ、新しい価値を創造する能力がなくては、これからの世の中、社会の一員として各々の個性や才能を発揮しながら生き抜いていくことはできないでしょう。

つまり学校教育は、もはや「知識」「理解」「応用」にとどまらず、生徒たちが「分析」「評価」「創造」という基礎体力を身につける手伝いができるよう変化する必要があるのです。

知識を詰め込むだけでなく、知識を基に自由に思考する。低次思考を高次思考につなげ、自分なりに決定を下したり創造したりできる術を教えるということです。

ところが現状、多くの学校教育はいまだに「知識」「理解」「応用」止まりにもかかわらず、社会に出たとたん「分析」「評価」「創造」の能力が求められます。若い人たちからすれば、今までほとんど訓練してこなかったことを急に求められるという理不尽な状況が生まれているわけです。この学校教育と実社会のギャップを、早く埋めなくてはいけません。

石川 一郎:カリキュラムアドバイザー/21世紀型教育機構理事

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください