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東武東上線の「ザ・ターミナル」、池袋駅の求心力 乗降人員トップ、将来は西口再開発で大変貌?

東洋経済オンライン / 2024年1月11日 6時30分

当初、東京側のターミナルは現在の東京メトロ新大塚駅付近とする計画だったが、最終的に池袋に変更された。東上線のほか、山手線や西武池袋線も池袋付近で急カーブを描く線形になっているのは、もともと池袋に駅を設置することを想定していなかったのが背景にあるという。

1962年には西口に東武百貨店が開店。1992年完成の増改築で売り場面積が8万2963㎡にも及ぶ巨大なショッピングの拠点が誕生した。「レストラン街スパイス」は11~15階の5フロアを占める。

現在の東武の池袋駅は、地上に1~5番の頭端式ホーム。ラッシュ時間帯には10両編成の電車がひっきりなしに発着する。朝のピーク時(7時30分から8時30分)に到着する列車本数は22本にもなる。主に1・2番ホームは急行・準急、3・4番ホームは普通列車。夕方以降は最も西側の5番ホームが有料座席列車「TJライナー」の専用になる。

列車が到着するたびにたくさんの人であふれる駅構内だが、東京芸術劇場があることなどから発車メロディにはモーツアルトやベートーヴェンの楽曲が採用されていて、せわしない中にも一瞬、優雅な空気が流れる。

改札口は初心者にはややこしく、待ち合わせをする場合は注意が必要だ。電車の先頭方向に進んだ先の「南改札」のほか、ホームから階段を下りた地下に「中央1改札」「中央2改札」「北改札」がある。

東武池袋駅管区長で同駅長の丸山直哉さんは、伊勢崎線の館林駅管区長から2023年10月に異動してきた。入社して以来、東上線での勤務は初めてという。「昔から東武鉄道にとって東上線は稼ぎ頭で、池袋は乗降人員も収入もダントツ。これからもしっかりとやっていかなくては。駅係員がよく協力してこれだけの規模の駅を支えてくれている」と話す。

助役(首席)の酒井暁生さんは「(他社線も含めて運行トラブルの際は)一日に何回謝っているのかわからないこともある。さまざまな事情を抱えたお客さまに対応する現場係員の順応力は頼もしい」と強調する。

西口地区で動き出す再開発

池袋西口地区には、東武百貨店と西口公園、バスターミナルを一体とした再開発の動きがある。東武も決算説明資料で、次期中期経営計画に向けて「東武グループ最大のターミナル駅として、さらなる拠点性の向上を目指した施設・用途計画の推進」を挙げている。

また、同社と再開発準備組合が公表した住民説明用の計画概要によると、対象エリアをA~D街区に分け、A街区に地上41階(約220m)、B街区に50階(約270m)、C街区に33階(約185m)の計3棟の超高層ビルを建設。D街区には公園を整備する。

工事期間は既存建物の解体を含めて最短で2027年度から2043年度の予定。駅部分については線路の本数を現在の3線から4線に増やし、池袋大橋までの線路上空に歩行者空間を整備する計画だ。

街の大変貌に合わせて、「東武グループ最大のターミナル」である池袋駅の求心力も一段と強まることになりそうだ。

橋村 季真:東洋経済 記者

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