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42歳で「環境ベンチャー」妄想を叶えた彼の情熱 NYで上場を目指すJEPLAN、岩元会長に話を聞く

東洋経済オンライン / 2024年1月12日 10時0分

北九州の工場で陽気にポーズをとる岩元さん。ここでは再生ポリエステル樹脂の製造ほか、PETケミカルリサイクル技術のライセンス事業展開に向けた実証や、携帯電話リサイクル事業にも取り組む(著者撮影)

「今日も未来の子供達と地球環境と世界平和のために頑張ります」。JEPLAN(ジェプラン)会長の岩元美智彦さんは個人のSNSで日々の活動を紹介し、最後は必ずこの「まっすぐな言葉」で締めくくる。今日は福岡、明日は東京、明後日はドバイ……。舞台はワールドワイドだ。

【写真】岩元さんは、ゴミとなる綿素材の衣類からつくったバイオエタノールを燃料として、デロリアンを走らせるイベントを実現した。

「地球環境」「世界平和」なんて、たいそうに感じるかもしれない。しかし、岩元さんは2007年、40歳をすぎてリサイクルを核としたビジネスで創業。資源を循環させるリサイクルの技術を開発し、仲間を増やして、不要になった服を資源として循環する仕組みをつくり上げた。

2024年にNY証券取引所に上場を目指す

今や国内外から投資や連携の話が絶えず、2024年にニューヨーク証券取引所への上場を目指している。現在、上場している日本の会社はトヨタやソニーなどの10社で、どれも大手ばかり。創業10余年のベンチャーが続けば、さながらジャパニーズ・ドリームといえる。

JEPLANはどんな会社なのか。「ひと言で表すとリサイクルの会社ですが、“あらゆるものを循環させる”をビジョンに掲げ、国内外の仲間たちと協力して活動しています」と岩元さんは楽しそうに話す。まずは過去から紐解いていこう。

鹿児島出身の岩元さんは、北九州市立大学の学生だったとき、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のワンシーンに強く惹かれた。

ゴミを燃料として動くタイムマシンの車「デロリアン」を見て、「この先の未来ではゴミで車が動くはず」と夢を抱いたという。一方、繊維商社で営業マンとして働くうち、衣類が大量生産・大量廃棄されて環境に大きな負荷をかけている現実を知り、リサイクルできないかと考えていた。

そんなある日、トウモロコシからバイオエタノールをつくったという新聞記事を目にする。「トウモロコシでできるなら、綿でもできるのではないか」。ふとひらめき、東京大学大学院で研究をしていた飲み友達の髙尾正樹さんに相談した。

これをきっかけに2007年、42歳の岩元さんと26歳の髙尾さんは120万円を持ち寄り、日本環境設計株式会社(現・JEPLAN)を立ち上げた。そして翌年、着古した綿100%のTシャツからバイオエタノールを取り出すことに成功する。

起業から8年後、映画の主人公がデロリアンで旅した「未来」の2015年10月21日、岩元さんはゴミとなる綿素材の衣類からつくったバイオエタノールを燃料として、デロリアンを走らせるイベントを本当に実現した。

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