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独り歩きする「心理的安全性」 誤解と本当の意味 「4つの不安」を解消し「7つの効果」を上げる

東洋経済オンライン / 2024年1月12日 16時0分

今話題の「心理的安全性」、正しく理解していますか?(写真:zak / PIXTA)

「部下に注意したいけど、心理的安全性が大事だというし、厳しく言えないな……」。このような葛藤に直面したことはないでしょうか?

『マネジメントに役立つ 心理的安全性がよくわかる本』を上梓した広江朋紀氏は、昨今、「心理的安全性」のキーワードが独り歩きして、その意味や本質が、正しく伝わっていないと言います。

「心理的安全性」を高めることは、「仲良しサークル」のような職場や、部下が自由気ままに振る舞うことをよしとすることではないという、その真意に迫ります。

そもそも、心理的安全性とは“Psychological safety”の日本語訳であり、この概念を最初に提唱したのは、ハーバード・ビジネス・スクールのエイミー・C・エドモンドソン教授です。教授によると心理的安全性は「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。

【画像で見る】心理的安全性を低下させる4つの不安とは

心理的安全性を低下させる「4つの不安」

たとえば、会議のシーンを想像してみてください。話についていけなくなったときに「もう一度説明してもらえますか?」と問い直したり、知らない用語を聞いたときに「その意味を教えてもらえますか?」と質問できるでしょうか?

「そんなこともわかってないのか?」と無知を指摘されることに不安を覚え、わかったふりをした経験がある方も多いのではないでしょうか。
こうした環境は心理的安全性が低いといえます。

エドモンドソン教授は、心理的安全性を低下させる要因として「4つの不安」(無知と思われる不安・無能と思われる不安・邪魔と思われる不安・ネガティブと思われる不安)をあげています。

それでは、なぜ今、心理的安全性が求められているのでしょうか。背景には、「働く環境の変化」と心理的安全性を高めることで期待される「7つの効果」があります。

1つに内部環境の変化として、多様な国籍や文化、あらゆる価値観を持つ人と働く機会が増え、ダイバーシティは加速しています。そうした中、さまざまな立場、役割の人が自分の声をあげられるスペース(余白)を組織の中に持つことが求められています。

加えて、コロナ禍で職場環境もリモートワークへ移行したことも大きな変化です。メンバーと遠隔で仕事する際に、チャットのみでは真意や背景が伝えにくく、誤解を招くリスクも生まれます。時には、互いの関係性を円滑にする雑談や対話の時間をチームで持つなど、心理的安全性の確保が課題となっています。

心理的安全性を高めることで期待される7つの効果

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