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弱った心臓そのものを元気にする「心臓リハビリ」 「いきいきウォーキング」で死亡率を下げる

東洋経済オンライン / 2024年1月13日 17時0分

心拍数の正しい測り方
❶まずは安静時の脈拍数を知る
❷同じ強さの運動を3分以上した直後に15秒間の脈拍数を測定
❸②の数値を4倍にする
❹安静時と比較して上限内に収まるよう調整
例:安静時の脈拍数が80ならば、上限は110(β遮断薬服用時100)

ただ単に運動するのではなく、自分で心拍数をモニタリングすることが大切です。

「いきいきウォーキング」で死亡率を下げる

続いて、具体的な心臓リハビリのメソッドを紹介していきます。心臓リハビリでなによりも大切なことは「有酸素運動」です。有酸素運動といっても、いろいろなものがありますが、ベストなのは「ウォーキング」。心臓リハビリにおいて、歩くことに勝る有酸素運動は存在しません。

「そんなことで寿命が延びるわけがないじゃないか!」。おそらく多くの人が、こう思ったのではないでしょうか。「私は通勤や仕事でたくさん歩いているし、それで充分なのでは?」。こう疑問に思う人もいるでしょう。確かに、歩数はそれなりに稼いでいるかもしれません。しかし、歩数だけでは心臓リハビリに有効なウォーキングとはなっていないのが実情なのです。大切なのは、歩くことを「中程度」の強度で行うことです。毎日30分、あるいは1週間の合計で150〜180分以上の有酸素運動を、「中強度」で行うことが必要だとされています。

日常の歩行の「強度」を引き上げればOK

みなさんは、仕事や家事などを通して、日常的にある程度の歩数を確保しています。しかし、そのほとんどが「低強度」なのです。うつむき加減で歩いたり、誰かとおしゃべりしながら歩いたりするのでは運動強度が低く、心臓リハビリメソッドにおいては有効な有酸素運動とはなり得ません。とはいえ、強度の高いウォーキングを毎日やろうとしても、なかなかやり続けられないのものです。そこで、2つのワザを授けましょう。

まず、毎日30分(あるいは1週間の合計で150〜180分)ウォーキングといいましたが、これは新たに歩く時間を作るのではなく、日常の歩行の強度を中程度に引き上げればいいのです。いままでダラダラ歩いていたところを、次に説明する「いきいきウォーキング」に置き換えればOKです。

そして次のワザは、「ちょこっとウォーキング」です。中強度のウォーキングは、30分連続で続ける必要はありません。「ちょこっとウォーキング」として、5分、10分と小分けにしてもいいので、1日の合計で30分になるようにしていきましょう。

個人差はかなり大きいのですが、30分で歩く歩数は3000歩くらい。一般的に、人は1日に6000歩程度は歩いているので、その半分を「いきいきウォーキング」に置き換えられれば、新たなウォーキングを加えなくても、充分に心臓リハビリに有効な有酸素運動が確保できることになります。

どうです? こうして考えると、けっして無理なメソッドではありませんよね。運動不足の現代人にとっては、運動療法として「いきいきウォーキング」を行うことを心がけるだけでも、弱った心臓を元気にして、寿命を延ばすことにつながっていくのです。

上月 正博:東北大学名誉教授、山形県立保健医療大学理事長・学長

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