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仰天!「おつり」を知らない子ども急増のリアル  スマホ社会は「慣れ親しんだ言葉」まで駆逐する

東洋経済オンライン / 2024年1月13日 10時0分

ただですら活字離れが進んでいる若者たち。そのような彼らがSNSやLINEの画面に打つのは、たとえば「り(→了解の意)」「オワタ(→終わったの意)」「クサ(→笑いの意)」……などの極端に短い文字、あるいは記号や絵文字。

いったい、日本の素敵な言葉がどれだけ摘み取られてしまっていることか。

たとえば、たらいを知らない人、風呂敷で何かを包んだ経験のない人、下駄を履いたりしたことのない人……。

その他、「巾着(きんちゃく)」って何?「タガ」って何?「ちゃぶ台」とは?「うだつ」とは?

こんな疑問を持つ人は、そうした物がモトになってできている言葉を理解しようとするのは無理があります。

当然ながら、日常生活のなかで見たことも触ったこともないモノやコトが多いのは、若者の側が圧倒的。

その分だけ、知らない言葉に戸惑います。

ところが年配者は、若者側の事情を少しも忖度しません。

何よりも、自分が話している言葉が若者にまったく伝わっていないことに、年配者は気づいてもいないようです。

長い間ずっと通用してきた日本語が、まさか日本人に通じないなんて、そんなことあるわけないじゃないかともいうべき思い込み(あるいは傲慢さ)で、若者たちが知らないモノやコトを、当たり前のように言葉の中に登場させてきます。

しかし、考えてもみてください。

スマホ社会にどっぷり浸かって育った若者たちは、活字のシャワーを浴びることが少なく、生の(生きた)会話も苦手とあって、体内に語彙(ごい)の蓄積が多くありません。

一方、どちらかと言えば人肌の温もりを好むアナログ世代の年配者たちは、活字にも親しんでおり豊富に言葉を持っています。

この両者が話すとき、おかしなチグハグ感が生まれていることに、どれだけの人が気づいているでしょうか。

いま一度、見つめ直したい日本語

もしも今日、兄弟げんかの仲裁に入った母親の一言「以前あんなにお灸(きゅう)を据えたのに、懲りてないわねぇ」が、彼らの頭に「?」しか残さないとしたら――。

また、両親揃ってわが子を励ますつもりの「このままではうだつが上がらないぞ」とか「大企業に入れば左うちわだから」……とかが、ただの意味不明語になってしまっているとしたら――。

いずれにせよ、「おつり」という言葉すら消えようとしている現状を知るに至っては、ひとり一人が自ら口にする日本語(年季の入っている言葉はなおのこと)を、いま一度、改めて見つめ直す必要があるのかもしれません。

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