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ホンダ「ビート」軽ミッドシップオープンの衝撃 5年間の生産、短命ながら今も乗り継がれる1台

東洋経済オンライン / 2024年1月14日 7時20分

ホンダの「ビート」を真上から見ると、コンパクトな2シーターであることがよくわかる(写真:本田技研工業)

20~30年以上経った今でも語り継がれるクルマが、続々と自動車メーカーから投入された1990年代。その頃の熱気をつくったクルマたちがそれぞれ生まれた歴史や今に何を残したかの意味を「東洋経済オンライン自動車最前線」の書き手たちが連ねていく。

1990年代のホンダには、魅力的なスポーツカーが多かった。F1テクノロジーの詰まった「NSX」が1990年に発売され、翌1991年にEG型「シビック」、1993年にDC型「インテグラ」、そしてシビックやインテグラの初代タイプR、1999年にFRスポーツ「S2000」など、ホンダを象徴するスポーツカーが誕生した。

【写真で見る】軽自動車でミッドシップの2シーターオープンカー。ホンダ「ビート」はどんなクルマだった?

その中でも異質な存在がミッドシップレイアウト+オープンボディの軽自動車「ビート」。そのレイアウトやボディはもちろん、ホンダがF1で培ったテクノロジーを手軽に楽しめる軽自動車に応用したことなどは衝撃的だった。

ミッドシップ+2シーターオープンを採用した理由

ホンダの軽自動車であるビートは、バブル景気が弾けた1991年に発売された。ただ、当時はまだバブルの余韻も残り、ビートもバブル絶頂期に開発が進められたモデルになる。

1980年代から1990年代初頭は、ホンダ「プレリュード」や日産「シルビア」などのデートカー、またトヨタ「ソアラ」「マークⅡ」などのハイソカーがブームだった。そんな時代に「操る楽しさを知ってもらいたい」という願いを込めてビートは企画され、2輪車感覚で乗れる運動性を目指し、初期段階からミッドシップで開発が進められる。

さらに当時の軽自動車の平均乗車率が1.3人だったことから、2人乗り+オープンボディという思い切りのよさも、当時のホンダの勢いを感じる。今ではプラットフォームの共通化が当たり前だが、ビートは軽自動車ながら専用設計のボディを与えられている点もバブル期ならではと言えるだろう。

高出力化のために専用チューン

そんな専用設計のボディに搭載されたのは、軽自動車枠の660ccながら業界自主規制いっぱいの64psを発揮する自然吸気エンジン「E07A型」。このエンジンは、トゥデイやライフ、商用車のアクティなどにも搭載されている汎用エンジンだが、ビートのE07A型エンジンは、「MTREC」と名付けられ、高出力化のために専用チューンが施されている。

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