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サッカー協会・宮本恒靖新会長が直面する財政問題 元代表キャプテンの手腕はいかに?

東洋経済オンライン / 2024年1月14日 13時0分

英語力も抜群で、引退後には国際サッカー連盟(FIFA)が主宰する大学院・FIFAマスターを受講。「ボスニア・ヘルツェゴビナの町・モルタルで民族融和に寄与する子供向けのスポーツアカデミーを設立することは可能か」をテーマに修士論文を発表している。

いったんは現場指導の道に

その後、すぐにマネージメントの方向に進むかと思いきや、意外にも現場指導を選択。2015年から古巣・ガンバ大阪に戻ってアカデミーのコーチに就任する。2016年にJFA公認S級ライセンスを取得すると、2018年途中からトップチームに監督に。2020年J1・2位、天皇杯準優勝という結果も残した。しかし2021年途中に成績不振で解任という憂き目に遭う。

これが彼の分岐点になったのだろう。約1年の空白期間を経て、宮本氏は現場を突き詰めるのではなく、マネージメント方向に転換。JFA理事に就任し、新設の会長補佐として田嶋幸三現会長を支える道を選ぶ。この時点で「次期会長候補」と目されたのだ。

そして2023年に専務理事となり、事務方のトップとして「JFA中期計画・2023ー2026」を中心となって策定するなど、日本サッカー界の中枢を担う人材として力をつけてきた。そういった流れもあり、宮本氏の会長就任はシナリオ通りだったと言っていい。

選手・監督としてこれだけの実績があり、国際的なネットワークやコミュニケーション力を誇る40代のサッカーに精通する人材を探そうと思ってもそうそういないのは確か。日本サッカー界のイメージアップにも寄与してくれるクリーンで清々しいイメージもある。だからこそ、田嶋現会長がわざわざ会長補佐というポジションを作って彼を迎え入れ、2年間実務を覚えるように仕向けたのだろう。

そういった環境を与えられた宮本氏も努力を惜しまなかった。中期計画の中では、これまで取り組んできた日本代表の活躍、スポーツ・サッカーの拡大、社会課題への挑戦、新たな成長モデルの構築といったテーマをより追求していくことを強調している。

とりわけ、宮本氏が取り組まなければならないのが、財政面だろう。2020年からのコロナ禍で日本代表戦を開催できず、観客制限も長く続いたため、2022年度(1~12月)からの決算は収入191億1149万円に対し、支出は239億9271万円と約48億8000万円の赤字となった。コロナ禍の影響を踏まえ、もともと46億円超の赤字予算を組んでいたうえ、JFA特定預金を取り崩したことで、実質的な赤字は3億5000万円程度に縮小されたが、厳しい状況に陥ったのは間違いない。

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