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1浪で東大理Ⅲ「開成で数学1位」から見たどん底 東大理Ⅲに合格した彼が得た大きな気づき

東洋経済オンライン / 2024年1月14日 7時40分

このまま順当にいけば東大に入れるという状況だったシーナさん。ですが、彼自身は将来に不安を抱えながら生活を送っていました。

「1年生のときから進路をぼんやりと考えていたのですが、2年生になってから、医者以外の仕事をやっている自分が想像できなくなったんです。父親の姿を見ていたのもあり、アイデンティティー的にもしっくり受け入れられるなと思ったので、医学部を目指そうと思いました。その中で、『男たるものトップを目指すぞ!』と考えて、東京大学の理科Ⅲ類を志望校に設定しました」

とはいえ、年間で100人しか入れない「理Ⅲ」は、開成の中でもトップ10に入らないと難しいレベルです。いいときの成績で50位くらいだった彼は、高校に入ってから再開していた野球と両立しながら、現役で合格するのはきびしいと考えました。そこで、野球をやらせたかった親に相談することにします。

「親は野球を3年間やったほうがいいと強く思っていたので、『野球を続けたら浪人する可能性が高い』と伝えたのですが、『落ちても浪人してもいい』と言ってくれたので、野球を続けながらも最後まで現役での合格を目指す覚悟を決めました」

開成内の数学模試で1位を獲得

こうして彼は引退する3年生の夏まで、15時半に授業が終わってから3~4時間の部活をこなす日々を送ります。部活が終わるまでの模試の合格判定は、東大の理科I類でA判定だったものの、理ⅢはE判定ばかりだったようです。

「2次試験が440点満点なのですが、理Iと理Ⅱはだいたい210点取れれば受かると言われています。僕は夏の段階で220点取れるようになっていて、『理Ⅲじゃなければ受かるだろう』という状態になっていました。でも、理Ⅲは280点必要で、部活が終わってから入試本番までのあと半年で、この60点分を詰められるかが勝負でした」

部活が終わってからスパートをかけたシーナさんは、秋の模試では理ⅢでC判定が出て、校内の最後の実力模試では数学で1位を獲得するなど、着実に学力を積み上げていきました。

結果、センター試験(現:共通テスト)も9割程度で、足切りを通過して2次試験に挑みます。しかし、入試本番で取れた点数は270/440点。肉薄はしたものの、最後の最後であと約10点足りずに不合格になってしまいました。

「東大の得点開示では、不合格者の中で上位50人の点数を取れていました。受験前は多くの科目で点数が上振れすれば受かるかもと思っていたのですが、そんなことはありませんでした。実力通りの結果だと思います」

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