少子化対策しても「家族消滅」に向かう日本の現実 やがて日本は「超高齢独身国家」となる運命
東洋経済オンライン / 2024年1月14日 11時0分
婚姻が減り、出生が減る。これは同時に、「家族が減る」ことを意味します。
かつて標準世帯と呼ばれた夫婦と子世帯は、1970年には全世帯数の中で41%を占めていましたが、2020年には25%へと減りました。
一方で、一人暮らし、いわゆる単身世帯は、1970年の20%から、2020年には38%へと大きく増えました。ちなみに、2020年における単身世帯数約2115万世帯は過去最高です。
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)による2018年推計によれば、2040年には、夫婦と子世帯はさらに減り、23%へ。逆に、単身世帯は39%になるとされていました。
今年度中に、社人研からは最新の2024年世帯類型推計の結果が発表される予定で、その結果を待ちたいところですが、ここ近年の婚姻減・出生減を勘案すれば、この「家族消滅」傾向は加速するだろうと予想できます。確実に夫婦と子世帯比率はさらに減り20%へ、単身世帯比率はさらに増え4割を大きく超えるかもしれません。
単身世帯が増え、家族は減少
世帯類型の構造変化は、1985年から2020年の国勢調査の結果をもとに作成した以下のグラフの通りです。夫婦と子世帯の右肩下がりと単身世帯の右肩上がりとが丁度鏡のように対照的です。減っているのは夫婦と子世帯だけではありません。アニメの「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」に代表されるような3世代家族など核家族以外の世帯も夫婦と子世帯と同じ勢いで減っています。つきつめれば、家族の減少とは、婚姻の減少によるものと言えます。
ただし、早合点しないでいただきたいのは、「単身世帯が増えていることイコール未婚が増えているだけではない」ということです。今や「3組に1組が離婚」する時代です。単身世帯の中には、結婚しても離婚でまた独身に戻る場合もあります。加えて、離婚ではなくても、配偶者との死別によりまた独身に戻る場合もあります。
同様に、夫婦のみ世帯も増えていますが、これも決して新婚夫婦が増えたわけでもなければ、子を持たなくなった夫婦が増えたわけでもありません。もちろん、以前に比べて、結婚しても無子夫婦の割合は増えていますが、それでも1割程度です。有配偶無子率についてはこちらの過去記事をご参照ください(『子育て支援拡充しても「少子化」は解決しない根拠』)。
夫婦のみ世帯の割合が増えているのは、若い夫婦ではなく、子育ても終了し、子どもが独立して夫婦だけに戻った高齢夫婦が増えているからです。
そして、この高齢比率増は夫婦のみ世帯だけではなく、単身世帯でも同様で、夫婦と子世帯でも世帯主が高齢者の割合が増えてきています。世帯全体の高齢化が進んでいるのです。
増えつつある高齢夫婦のみ世帯
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