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香港政府、「投資移民プログラム」を9年ぶり再開 最低投資額5億5000万円超、中国本土籍は対象外

東洋経済オンライン / 2024年1月15日 16時0分

投資移民プログラムの再開の背景には、停滞する香港経済に対するテコ入れ効果への期待がある(写真はイメージ)

香港の投資移民プログラムが9年ぶりに再開される。香港政府は2023年12月19日、「新資本投資者入境計画(新CIES)」を発表。2024年の年央から申請受付を始めると明らかにした。

【写真】香港政府は、投資移民の生活拠点としての魅力やパスポートの利便性を強調する。写真は九龍半島・旺角の繁華街

以前の投資移民プログラムは2003年に導入され、2015年1月に打ち切られていた。今回発表された新CIESでは、投資移民の申請条件を満たすための最低投資額が旧プログラムの3倍の3000万香港ドル(約5億5322万円)に引き上げられた。

年間2兆円超の経済効果を期待

特徴的なのは、新CIESの投資対象には株式などの金融資産や非住宅不動産などのほか、後述する「CIESポートフォリオ」に対する300万香港ドル(約5532万円)の投資が義務づけられたことだ。

「新CIESを通じた(香港への)投資導入額について、決まった目標は定めていない。ただ、旧プログラムには毎年平均4000人が申請していた。仮に同じくらいの申請があるとすれば、新CIESは年間1200億香港ドル(約2兆2129億円)の投資を香港にもたらす可能性がある」

香港政府の金融サービス・財務局長を務める許正宇(クリストファー・ホイ)氏は、新CIESの経済効果の見通しについてそう述べた。

前出のCIESポートフォリオは、香港政府が新たに設立する投資基金だ。投資移民プログラムの申請者にそこへの投資を義務づけた目的について、許氏は「香港のイノベーションやハイテク産業の振興、そのほか香港の長期的発展に資する重点産業を支援するため」と説明した。

最低投資額を以前の3倍に引き上げたことについて、許氏は「アジア地域の類似の投資移民プログラムと比べて割高ではない」と強調。さらに、香港には生活拠点としての魅力や(多くの国々で訪問ビザの取得が免除されている)香港特別行政区パスポートの利便性などのメリットがあるとし、新CIESの競争力に自信を示した。

シンガポールより割安との見方も

例えば、シンガポールの投資移民プログラムである「グローバル投資プログラム(GIP)」は、申請条件の度重なる引き上げにより、現在の最低投資額は1000万シンガポールドル(約10億8000万円)となっている。それに比べれば、香港の新CIESの最低投資額は必ずしも高くないと言えそうだ。

投資移民プログラムの申請には、最低投資額や投資対象のほかにもさまざまな条件がある。香港の新CIESでは、申請資格者は年齢が18歳以上で、外国籍の保有者または中国籍で外国の永住権を保有する者とされている。そこには中国籍の中国本土居住者は含まれていない。

なお投資移民が認められた場合、申請者の家族に関しては配偶者、異性または同性のパートナー、18歳以下の未婚の子どもを帯同できる。

(財新 駐香港記者:王小青)
※原文の配信は2023年12月20日

財新 Biz&Tech

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