急騰している日本株が今後暴落しないか心配だ 楽観しすぎの米国株、日本経済も黄信号が点灯
東洋経済オンライン / 2024年1月15日 9時30分
もう1つは、消費者が生活の圧迫感を感じているのかもしれない。日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」を見ると、物価上昇を負担に感じ、暮らし向きが苦しくなっているとの回答が、過去の長期平均値と比べても優勢だ。
しかも、その回答の悪化水準は、リーマンショックから東日本大震災にかけての時期に次ぐものだ(次回の同調査は、1月17日公表予定)。もし消費者の圧迫感が強いままでは、せっかく賃上げがあっても、生活防衛のため賃金増加分の多くは貯蓄に回ってしまい、好循環が生じにくくなる。
海外の長期投資家も日本の個人消費の行方を注視
海外投資家のうちで日本株投資の経験が長い関係者の代表的な意見は以下のとおりだ。「春闘でどの程度の賃上げとなるかは注目している。だが、単に賃金の増加率が高いだけではすぐに『日本株は大いに買いだ』とは判断しない。賃上げを受けて、個人消費が大きく増えるかどうかが問題だ」。このように、海外の長期投資家は今後を慎重に見極めようとしている。
さすがの筆者も、日本経済が後退期入りするとか、内需が下に折れ曲がるなどとは、まったく見込んでいない。しかし、日本の外需も内需も冴えないという展開に陥れば、空中に浮かび上がっている足元の日本株が、はるか下に離れてしまった岩盤(株価の適正水準)に向かって、墜落すると懸念される。
さて、定期的な連載としての投稿は、今回で最後となる。これまでご愛読、ご声援くださった読者の方々には、心より御礼申し上げたい。「東洋経済オンライン」や「会社四季報オンライン」には、長年見守っていただき、深く感謝申し上げる。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
馬渕 治好:ブーケ・ド・フルーレット代表、米国CFA協会認定証券アナリスト
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
相場展望6月13日号 米国株: FRBは金利据え置きを年内は続けると見込む 日本株: 日経平均は堅調に推移、しかし軟調な地合いに注目
財経新聞 / 2024年6月13日 10時39分
-
最高値更新!ナスダックが強い二つの理由(窪田真之)
トウシル / 2024年6月10日 8時0分
-
「それでも日本株は上昇する」と言える2つの根拠 景気はよくないのに株価が高いのはおかしい?
東洋経済オンライン / 2024年6月5日 9時0分
-
「ドル円」は当面もみ合い推移が続くものの、緩やかに上昇すると予想 ~マーケットの振り返りと見通し【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフリサーチストラテジスト】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月4日 15時45分
-
相場展望5月20日号 米国株: NYダウは好決算と利下げ観測が強まり4万ドル突破 日本株: 株式相場の需給は弱い展開が続く可能性がある
財経新聞 / 2024年5月20日 12時1分
ランキング
-
1M&A仲介大手「全社株価急落」の深い理由 高額手数料や悪質ダイレクトメールにメスも
東洋経済オンライン / 2024年6月17日 10時0分
-
2「シャープ」は世界に誇る技術をもちながら、なぜ台湾企業に売られることになったか【プロの投資家が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月17日 8時15分
-
3吉野家 「シュクメルリ鍋」のグランプリ祝福に松屋感謝 “電撃訪問”のお礼返しにSNS「リスペクト精神すばらしい」「何このやさしい世界」と感動
iza(イザ!) / 2024年6月17日 15時28分
-
4キッコーマン「みぞれあん たっぷりおろし」1万9000本を自主回収…開栓時に噴き出すおそれ
読売新聞 / 2024年6月17日 17時30分
-
5年金受給者は「合法的に2重取り」できる…6月から実施の「定額減税」はなぜこんなに不公平な仕組みなのか
プレジデントオンライン / 2024年6月17日 9時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください