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超人気「オカルト系YouTube」数奇な誕生の背景 登録者数32万超「都市ボーイズ」が生まれるまで

東洋経済オンライン / 2024年1月16日 13時5分

……が、それは現在の話だ。当時はただただ彼女の貯金をすり減らしていく日々だった。

岸本さんと“都市ボーイズ”を結成

この頃、同級生3人でトリオを組み、

「配信とかしてみないか?」

と話を持ちかけた。当時は3人ともまだTVの裏方の仕事をしている時代。打ち合わせなどで耳に入った“不思議な話”などをアウトプットできないだろうか?と模索していた。

結果的に1人が抜けることになり、はやせさんと岸本さんで“都市ボーイズ”を結成した。

「僕と岸本さんでポッドキャストの配信をしようということになりました。名前の“都市ボーイズ”は、2人共芸人“シティーボーイズ”が好きだったのと、“都市伝説”が好きだったから、です」

「陰謀論」「奇祭」「業界の裏話」「気持ち悪い話」など毎週配信していくうちに人気は上がっていった。

「憧れだった伊集院光さんの番組と並んで表示されるようになってとても嬉しかったりしたんですが……。ただ、ポッドキャストって収益化はできないんですよ」

忙しさは増えたものの、収入は増えなかった。結局、相変わらず彼女に養ってもらっている状態だった。

「ある月末の夜、物音で目が醒めたんです。見ると、真っ暗い部屋で彼女が通帳見ながら泣いてたんです。『どうしたの?』って聞いたら『お金がなくて、今後食べていけるかわからない』って言うんです。僕はアホやから『黙って寝ろや』とか言っちゃったんだけど、僕も布団の中で泣いてました。『もうどこにも行けないんだ。もう働くしかないんだ』って思って……」

正直、岡山に帰りたいという気持ちがわくこともあった。

はやせさんは3人兄弟で、下に2人の弟がいた。2人共、「TVの仕事をします」と言って家を出たはやせさんに憧れて東京に出てきた。2人共、優秀ですぐに人気番組のスタッフや、カメラマンになったが、仕事が厳しいと岡山に帰ってしまった。

「なんか勝手に2人に夢を託される感じになっちゃって。『お兄ちゃんは東京でがんばって帰ってこないでね』って。僕もボロボロで帰りたい時期はあったんですけど、我慢して東京で踏ん張りました」

テレビ業界で、月に数万円は仕事をしていたが、環境は良くなかった。パニック症状は悪化し、体調も芳しくない。

彼女に「もう辞めて普通に働こうかな?」と相談した

「僕はテレビ業界で働くのは向いていないかもしれない」

と思うようになってきた。

「2015年くらいに、彼女に『もう辞めて普通に働こうかな?』と相談しました。すると『私はずっとあなたを応援してきたのにこんな所でやめてほしくない』って言われました」

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