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山手線目黒駅が「目黒区にない」ごく簡単な理由 所在地は品川区、現代と異なる「駅前」の感覚

東洋経済オンライン / 2024年1月17日 6時30分

そして、現在の目黒駅の場所には、線路予定地を横切っていた水路(三田用水)と目黒通りの下に、120mと短い永峰トンネルが掘削され、線路が通されていた。

旧目黒駅は短命で、開業からわずか5年後の1890年には早くも永峰トンネルの北側へと移された。別の場所で開業した理由は、よくわからない。現在の場所だと勾配を緩め、ホームを設けるために深く広い切り通しにしなければならず、余裕が必要であったが、用地買収がうまくいかなかったのかもしれない。

永峰トンネルは山手線の電車線と貨物線が分離されて、1925年に複々線となった際に崩されて切り通しとなり、現存しない。三田用水はコンクリート製の跨線水路橋に改築され、目黒駅ホームの上を渡したが、これも用水の廃止後に撤去されている。

なお、東急電鉄の前身、目黒蒲田電鉄が目黒―蒲田間を全通させたのは1923年。目黒通りの南側、三田用水をまたぐようにターミナル駅を構えた。

先に開通したのは現在の貨物線

山手線複々線化の際には、電車が走る専用線のほうを増設した。今、恵比寿を出た内回り電車は恵比寿―目黒間にて、埼京線などが走る貨物線を急勾配の線路で越し、反対側へ移る。

力が強い電車専用として建設されたから許されたルートで、品川線としてまず開通したのは、現在の貨物線のほうだとわかる地点の1つだ。目黒駅北側の白金桟道橋の構造からも一目瞭然。現在の山手線をまたぐ部分のほうが勾配の関係で浅く、簡素なデザインなのだ。

土屋 武之:鉄道ジャーナリスト

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