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食道がん「のどの違和感」が出る前に見つける方法 耳鼻科で異常なしの場合、次の行動が重要に

東洋経済オンライン / 2024年1月17日 12時5分

では、症状がない段階で食道がんを見つけることはできないのか。

これに対し押川医師は、「無症状のうちに見つけることもできる」と答える。

がんを無症状の段階で見つけるには、がん検診が有用だが、そもそも食道がんは、5大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん)で実施されている「国が推奨するがん検診」の対象になっていない。だが、これをうまく利用すれば、食道でも無症状のがんを見つけられるそうだ。

「胃がん検診のときに、食道も診てもらうのです。食道がんは、がんそのものを内視鏡という『目』で見ることができ、早期発見が可能ながんでもあるのです」(押川医師)

胃がん検診は、50歳以上になったら2年に1回受けることが勧められている。以前はバリウム検査(胃造影検査)が主だったが、今は胃カメラ(上部消化管内視鏡)による検診が推奨されている。

胃カメラには鼻から入れる経鼻と、口から入れる経口があり、いずれも食道を通って胃に到達する。つまり、食道も胃がん検診のついでに、診てもらうことが可能だ。

「しかも今は内視鏡診断の技術も進んで、食道がんを早期で見つけられるNBI(Narrow Band Imaging)という特殊光を用いた検査が普及しています。がんになる前の『前がん病変』でも見つけられます」(押川医師)

胃がん検診で食道を診てもらう際にも「重大なポイントがある」と押川医師。それは、検診時に「食道も『念入りに』診てください」と医師に伝えることだ。特に「念入り」という言葉は必ず伝えたほうがよいとのこと。

胃カメラを呑む目的は、あくまでも胃がんのチェックにある。医師の意識が食道がんに向いていなければ、異常を見すごしてしまうこともありえる。

また、同じ胃カメラでも胃がんを見つける技術と、食道がんを見つける技術は少し違う。押川医師によると、特殊な方法を用いなければ早期がんが見つけにくいこともあり、食道がんのほうが難易度は高い。

したがって、受診者が自らお願いしなければ、食道はさっと見て終わり、ですまされてしまう可能性がある。

50歳以上、お酒やタバコを嗜む人は要注意

なかでも食道を「念入りに診てもらったほうがいい」のは、食道がんのリスクが高い人、具体的には、50歳以上の男性だ。

がんは細胞の遺伝子変異が原因で起こるが、食道がんも例外ではない。実際、加齢によって食道の粘膜の細胞に遺伝子変異が生じていることも確かめられている。

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