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食道がん「のどの違和感」が出る前に見つける方法 耳鼻科で異常なしの場合、次の行動が重要に

東洋経済オンライン / 2024年1月17日 12時5分

若くても、お酒をよく飲む人、熱い飲み物をよく飲む人、タバコを吸う人は気をつけたほうがいいとのこと。これらの刺激が加齢による遺伝子変異に上乗せされ、がんのリスクを高めてしまうからだ。

特に飲酒については、「ウイスキーなどの蒸留酒を、ロックやストレートで飲む人は要注意」(押川医師)という。チェイサーで水を飲んでいたとしても、肝臓などほかの臓器へのダメージは減らせるが、食道への刺激回避に関しては意味をなさない。

もう1つ「昔はお酒が弱かったけれど、だんだん飲めるようになった人」や「お酒を飲むと顔が赤くなる人」も注意が必要だ。

アルコールの分解能力には個人差がある。ALDH2(2型アルデヒド脱水素酵素)という分解酵素が多い、あるいは働きが強い人は酒に強く、分解酵素がほとんどない、あるいは弱い人は酒に弱く、ほとんど飲めない。

問題はこの中間にあたる、アルコール分解酵素がそこそこある、そこそこ働く人だ。

「分解酵素がそこそこある人は、だんだんと飲めるようにもなります。ただ、このタイプは飲酒によって食道がんになるリスクが上がります。ですから、酒には強くなったけれど、飲むと顔が赤くなる人は気をつけたほうがいいでしょう」(押川医師)

禁酒で食道がん発症の予防が可能

飲酒と食道がんの関係については、昨年12月、興味深い研究結果を京都大学大学院医学研究科の武藤学教授らが報告している。禁酒や節酒(お酒を控える)で、食道がんの発症が予防できることが、世界で初めて明らかになったのだ。

この研究では、胃カメラで食道がんの前がん病変が確認された232人に禁酒指導を実施。すると、禁酒が成功したグループの10%程度が前がん病変に改善が見られた。一方、禁酒ができなかったグループでは改善が見られたのは2%だった。

「このほかにも、食道がんの手術後に禁酒できた人は、禁酒できなかった人よりも予後がよいといった結果も出ています。いずれにしても、リスクを減らしたいのであれば、お酒との付き合い方を見直すことが大切です」(押川医師)

年々、罹患者が増えている食道がんだが、亡くなる人はあまり増えていない。押川医師は「進行がんでも、長期生存が見込める患者が少し増えている」と話す。

食道がんの治療は、早期であれば内視鏡による切除が標準治療だ。進行がんでは、抗がん剤治療→手術が標準的で、やや効果は劣るが、抗がん剤+放射線治療(化学放射線療法)も選択できる。

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