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韓国がついに伝統の「犬食禁止」踏み切った事情 「伴侶動物」という考え方が伝統も変えている

東洋経済オンライン / 2024年1月17日 12時20分

韓国の国会前で犬食禁止特別法に賛成するデモに参加する人々(写真:AP Photo/Ahn Young-joon)

犬肉を食べることは「慣習」なのか「動物虐待」なのかーー。韓国の国会で「犬食禁止特別法」が可決され、長年続いてきた論争に終止符を打った。しかし、食用として飼育されていた数十万匹の犬をどうするのかなど課題も山積し、今後も犬肉をめぐる議論は続きそうだ。

なぜ、韓国社会は「伝統」として容認してきた犬食を禁じる選択をしたのか。その背景には、「伴侶動物(Companion Animal)」という考え方がある。「ペッファム(pet+family)族」という新造語も登場し、航空業界などさまざまなビジネスに影響を与えているのだ。

飛行機でも同伴可能になっている

韓国で広がっている「伴侶動物」という考え方は、「ペッファム族」の新造語を生み出した。「ペッファム族」とは、ペット(pet)とファミリー(family)を組み合わせた言葉だ。「伴侶動物」は家族のような存在でつねに一緒に行動する人を指す言葉である。こうした「ペッファム族」にいち早く目をつけたのが航空業界だ。

日航機の炎上事故を経て大論争となっているが、日本では飼い犬や猫と飛行機で移動する場合、盲導犬や介助犬を除き飼い主とともに客室を利用することができない。受託荷物として預けることが一般的だ。

しかし、韓国の航空会社は、「伴侶動物」をキャリーケースに入れ、機内持ち込みができるようにした。伴侶動物を飛行機の貨物室に入れ、ひとりぼっちにさせることに抵抗を感じる乗客の心を掴むビジネスだ。

昨年6月時点で、韓国の大手航空会社の伴侶動物の機内持ち込み件数は2020年より、大韓航空が26%、アシアナ航空が23%増加した。格安航空(LCC)にも同じ傾向がみられる。

ただ、すべての「伴侶動物」を機内に持ち込むことができるわけではないので注意が必要だ。機内に同伴可能な「伴侶動物」は犬、猫、鳥のみ。重さは7kg〜9kgに制限される。

また、別途料金も発生する。小型航空機を運航する航空会社は、伴侶動物をキャリーケースに入れず、隣の席に座らせることが可能な特別便を運航している。

また、餌と伴侶動物のおやつを無料提供するサービスも登場するなど、国内線・国際線に伴侶動物と一緒に搭乗する人が増える中で、各航空会社の競争も激しくなっている。

「犬食禁止」与野党問わず「異論なし」

1月9日、動物保護団体の関係者らが国会議事堂前に集まり、「Good Bye犬肉食」というシュプレヒコールを唱える中、本会議が開かれた。注目を集めたのは、犬食を禁じる「特別法案」の行方だった。

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