ランボルギーニ最新旗艦車種「レヴエルト」の魅力 あの「カウンタック」がこんなにも進化した
東洋経済オンライン / 2024年1月18日 11時50分
しかも、これらの駆動力を緻密に制御することによって、運動性能も飛躍的に高めているのが、このシステムの特徴だ。わかりやすく言えば、たとえば右コーナーでは左前輪に多くの駆動力を与えることで、車体に右向きの回転運動を加えて曲がりやすくするといった制御である。
パワートレインの構成は大きく変化
マニアックな話になるが、この電動化によって大きく変化したのがパワートレインの構成だ。
クンタッチ以来、使われてきたのは前後逆向きに搭載されたエンジンの出力を一旦前方に取り出し、運転席と助手席の間のセンタートンネル内に置かれたトランスミッションで折り返すかたちで後輪に伝えるレイアウト。これは全長の嵩張るV12エンジンを使いながら、車体を可能な限りコンパクトにとどめるために考えられたアイディアだ。
それがレヴエルトでは、エンジンが通常の向きに積まれ、電気モーターを内蔵したトランスミッションはその後ろに置かれる、定石通りの配置とされた。代わりにセンタートンネルに収められたのは容量3.8kWhの駆動用リチウムイオンバッテリー。トランスミッションには、材料置換などにより軽量化の余地があるが、リチウムイオンバッテリーは小型化にも軽量化にも限界がある。天秤にかけたうえで、この配置が選ばれたのだろう。
おかげで全長は前作より170mm近くも伸ばされて、実に4947mmにも達する。そこだけ見ればトヨタ アルファードとほぼ一緒である。
実はこのサイズアップは居住性の改善も、その大きな要因だったという。全長とバランスを取るため全高は24mm高くなっているが、これは背の高いユーザーを快適に座らせるだけでなく、サーキットでのヘルメット装着にまで配慮したものだ。
また、ホイールベースが80mm伸ばされたことで、足元の余裕が増し、そして何とシートの背後にはゴルフバッグが収まるだけのスペースが確保されている。低いフロントフードの下には機内持ち込みサイズのスーツケース2個の搭載が可能というから、2人での小旅行にも十分対応できるようになった。走ることだけ見据えていた従来とは、大きな違いだ。
興味深いことに、今回の開発テーマのひとつには“アーバナイゼーション”という言葉が挙げられていた。街中ではエンジンを始動させずに走行することもできる電動化、今回初めて搭載された先進の運転支援装備、最新のコネクテッド機能なども含めて、都市化というより、街や社会への受容性を高めたというぐらいに解釈すればいいだろう。
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