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早大野球部OB会"子どもに外遊びの場提供"の背景 運営への協力は「人生の豊かさにつながる」

東洋経済オンライン / 2024年1月20日 8時0分

「ダイヤ鬼」は、本塁からスタートし、各塁間にいる鬼にタッチされないようにダイヤモンドを一周する鬼ごっこだ。タッチされたら、本塁に戻って再スタートとなる。子どもたちは鬼になった部員たちをかいくぐりながら、本塁を目指して楽しそうに走っていた。

日が暮れるころには、子どもたちと部員はすっかり仲良くなっていた。遊んでくれた部員たちに肩車をしてもらう子どももいて、ほほ笑ましい。また、キャッチボールをしたり、一緒に芝生に寝転がって空を眺めたりする親子もいた。

参加した子どもたちに話を聞くと、「鬼ごっこが楽しかった。次回も参加したいです」(小学2年生男子)、「お兄さんがすごく優しくて、仲良くなれた!」(小学1年生女子)という声が聞かれた。

同部の森田朝陽主将は、「普段、子どもと遊ぶ機会はないので楽しかった。こういったイベントは、子どもたちがスポーツに触れる良い機会になると思う」と話した。

放課後はゲームや習い事・学童が増加

文部科学省の「全国学力・学習状況調査(2021年8月発表分)」によると、平日に1時間以上テレビゲーム(パソコン、携帯ゲーム、スマホゲーム含む)をする小学生は75.9%にものぼる。これは15年前の2009年度実施分(47.5%)のおよそ1.5倍の数値だ。

放課後の時間が、ゲームに代わっただけではない。ベネッセ教育総合研究所の「学校外教育活動に関する調査(2017年)」 によると、定期的に塾・教室(そろばんや習字など含む)に通う子どもは、小学1年生でも4割を超え、小学4年生で5割を超える。

イベントに参加した保護者に話を聞くと、「放課後は仲の良い友達が学童や習い事で忙しく、一緒に遊べない日も多い」(小学2年生男子の父親)という声があがった。

ほかにも「学童に通っているので、外遊びは学校や学童でだけ」(小学2年生女子の母親)、「近所にボール遊びができる広い場所もないので、イベントに参加できて良かった」(小学1年生男子の父親)と話す保護者もいた。

部を通して「未来に貢献したい」

「早大野球部にお世話になったから、今の自分がある。育ててくれた部に恩返しできる場があればと、本イベントを立ち上げた」と話すのは、同部OBで現在北海道日本ハムファイターズのGM補佐兼スカウト部長を務める大渕隆氏だ。

大渕氏はスカウトという仕事柄、野球競技人口の減少や勝利至上主義に偏った指導など、野球界のさまざまな課題を痛感してきた。

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