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「朝ごはんにフルーツ」が"食後血糖値"にNGな根拠 スムージーや、朝食抜きも避けたほうがいい

東洋経済オンライン / 2024年1月22日 7時20分

血糖値の改善には、昼ご飯でも夜ご飯でもなく、朝ご飯が重要。いったいなぜなのでしょうか(写真:kueqa / PIXTA)

糖質制限がいいのか、動物性脂肪を控えたほうがいいのか――。健康を維持するためのさまざまな食事療法が乱立するなか、ここにきて新しい考え方が出てきた。それはなんと「朝食は、ご飯少なめ、肉やアブラ(油・脂)多め」というもの。もちろんエビデンス(科学的根拠)はちゃんとある。そこで、この食事法を提唱する北里大学研究所病院副院長で糖尿病センター長、山田悟さんに話を聞いた。

朝、しっかり食事をしたつもりなのに、何となく疲れてしまったり、集中力が続かなかったり……。そんな経験はないだろうか。

【図表】山田さんが推奨、食後血糖値の上がり方が緩やかになる朝ご飯メニュー

「それは朝食を摂った後に、血糖の乱高下を起こしたのだと考えられます」と山田さん。

体のだるさなど生活習慣病にも直結

聞くと、朝食後はそもそも血糖値が上がりやすいのだが、そこに自律神経を興奮させる行動、例えば運動や、ストレスがかかる仕事(会議やクレームの電話など)などが加わると、血糖値が急激に上がって下がるといった乱高下が起こりやすいという。

その結果、脳にエネルギー源となるブドウ糖が足りなくなり、冒頭の症状が出てくる。

「食後血糖値の乱高下」問題は、体のだるさや、やる気の喪失だけにとどまらない。太りやすい、糖尿病になりやすい、動脈硬化を起こしやすい……といった、さまざまな生活習慣病にも直結していると、山田さんは言う。

「例えば、血糖値が急激に下がると、『低血糖にならないよう、食べて止めなきゃ』という抗いようのない空腹感、まさに飢餓感に襲われます。その結果、カロリー的には必要もないのに食べすぎてしまう、といったことが起こります」

また、血糖値が高いことで血管が傷つき動脈硬化を進行させてしまう。いずれにせよ、食後の血糖値をどうするかで、これからの人生を健康的に過ごせるか否かがかかっている、といっても過言ではなさそうだ。

血糖値の上がり方については、体質的なものもあるといわれている。「親が糖尿病だから……」と諦めてはいないだろうか。あるいはその逆で「家族が糖尿病じゃないから大丈夫」と安心していないだろうか。

実は、ここには大きな問題が2つ隠されている。

1つは、健診などで「血糖値が正常」といわれている人でも、その多くが食事をしてから2時間後の血糖値(食後血糖値)が正常値を超えて上がっている“隠れ食後高血糖”の可能性があるという怖い事実だ。

山田さんらは過去に、ある会社の健康的な社員に協力してもらって、食後血糖値を測ったことがある。その結果、食後血糖値のボーダーラインとされる数値(140mg/dL)以内に収まっていた人は、ほとんどいなかったそうだ。

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