1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「ある男の転落死」裏側に潜む"夫婦の秘密と嘘" 仏映画「落下の解剖学」で描かれる人間の複雑さ

東洋経済オンライン / 2024年1月22日 13時0分

また、ドイツ人であるサンドラがフランス語、英語、ドイツ語と複数の言語を使いわけるが、それによって「サンドラのキャラクターに複雑性を加え、不透明感をかもし出しています。サンドラは外国人としてフランスで裁判にかけられ、夫と息子が話す言語も操らないといけない。それが観客とサンドラの中にある特定の距離感を作り出している」という。

本作は中盤から法廷劇へと形を変えていくが、そこでは「最初から回想シーンはつかわないと決めていた」と語るトリエ監督。言葉の応酬が飛び交う法廷だけに、観客は必然的に証言者たちの言葉にしっかりと耳を傾けることとなり、真実はいったいどこにあるのかと想像を張り巡らしながら映画を鑑賞することになる。「サンドラは無実なのか、それとも——」。

主人公のサンドラを演じたザンドラ・ヒュラーは、SAG−AFTRA(全米映画俳優組合)のイベントに出席した際に、トリエ監督のこだわり、そして彼女に対する全幅の信頼感についてこう語っていた。

「それはジュスティーヌ(・トリエ)の見事な演出だった。

彼女は何度も何度もスクリーンテストを行い、(観客を惑わすための)最適な表現方法を見つけようとしていた。彼女は本当にクレイジーですばらしい!」

壬生 智裕:映画ライター

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください