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「20代社員に助言請う」外資経営者、その"深い"意図 若手に学ぶ「逆転の発想」で新たな視点を得る

東洋経済オンライン / 2024年1月23日 19時0分

この好奇心が、さらに多くのインスピレーションを受け入れるための素地になっていくのです。

前述したように、私たちは気づかない間に自分たちの見るものにさまざまなフィルターをかけるようになっています。そして、それが現れる最たる例が「世代間ギャップ」ではないでしょうか?

年齢やライフステージによって行動が変わったり、興味を持つものも変わっていき、他の世代とはギャップが生まれていきます。これは当たり前ですし、仕方のないことでもあります。ただ、このギャップとの付き合い方次第で、「問い」の広がりや、共感度を大きく変えることができます。

「現金で割り勘」しない若者から学んだこと

例えば数年前に、あるクライアントと金融に関するプロジェクトに取り組んでいたときのことです。

私たちはお金にまつわる行動・考え方などを調べていたのですが、その中で「割り勘」という行動を観察することがありました。皆さんは友だちと一緒に外食をして割り勘にするとき、どのようにしていますか?

私の世代なら、金額を人数で割って、それぞれ現金を出して精算するというのが当たり前でした。

しかし、そのときの観察対象であった20代の方たちの行動は、まったく違っていました。振込先の口座番号をLINEやチャットで教えあっていたのです。当時はまだLINE Payのような送金サービスもありませんでしたので、オンラインバンキングで振り込んでいました。私の世代の感覚・行動とはまったく違うものだったのです。

それは、自分と世代ギャップがある人に好奇心を向けていなければわからないことでしたし、そういった気づきは、その後のサービス開発にも大きく影響しました。

今まで数百社の方とお話しさせていただくなかで興味深かったのは、多くの場合、若手社員は面白い「問い」やアイデアを思いついても、上司や年代の離れた先輩とは共有していないということです。

「こんなことをしてみたらどうだろう?」「こんなことができるんじゃないか?」ということを思いついていても、それにふたをしてしまっています。なぜかと聞いてみると「そもそもその価値を理解してもらえない」「茶化される」「実際に起きている現象を見ていないので、その機会(アイデア)に共感してもらえない」といった回答が返ってきました。組織の文化としてはまずい状態です。

しかも、実際にそのアイデアの内容を聞いてみると、どれも面白い話ばかりでした。

上司に共有されなかった家電のアイデア

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