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「奨学金450万円」借りた女性が中国で就いた仕事 男尊女卑、モラハラ夫、コロナを乗り越えて…

東洋経済オンライン / 2024年1月24日 12時40分

うちにはお金がないことは、わかっていましたから、借りることに抵抗はなかったですね。むしろ『これくらいの額であれば、社会人になって返せないということはないだろう』と思っていたぐらいです」

通学は片道3時間。電車内で勉強漬けの日々

こうして、都内の私立大学に進学した戸上さん。神奈川にある叔母の家に下宿させてもらえることになったものの、通学は片道3時間。そのため、誰もが思い描くような花のキャンパスライフを送ることはできなかったという。

「父がひとり暮らしを許してくれなかったため、毎朝5時半に起きて、家から駅まで自転車で向かい、6時20分の電車に乗ることで、やっと1限目の講義に間に合いました。当時はスマートフォンもなかったので、電車内でできることといえば予習と復習。成績はいいに越したことはないので、真面目に勉強できましたが、その分サークルや友達との飲み会には参加できませんでした。家から大学までが遠く、行くだけで疲れるということもあり、学祭にも参加せず、青春を謳歌することはありませんでした」

なんだか聞いているだけでも、楽しくなさそうな生活であるが、通学時間の勉強は無駄になることはなかった。

「第二外国語で履修していた中国語にハマったんです。もともと、語学学習が好きで、英語にも力を入れていましたが、それ以前から中国語にはなにか惹かれるものがあったんです。そこから、大学2年生まで週2回の語学の講義に熱心に取り組んでいました。折しも当時は『アジア』が流行していた時期でもあり、わたしはその中でも中国の経済成長に興味を持ち、1年生の夏休みには貯金して上海に旅行に行ったぐらいです。そこで、中国の国としての勢いや面白さに触れることができ、ますますのめり込んでいきました」

そこから戸上さんは、国際経済学を学ぶために大学院進学を決意。学部時代は電車内で勉強漬けで、成績が平均Aだったため、系列の大学院に自己推薦で入学することができた。

そして、大学院進学を機に新たに50万円近くの奨学金を借りる。これで合計450万円となる。さらに、1年間留年することで、タイに交換留学で行くこともできた。

就職活動のタイミングを逃し、選んだ道は…

こうして、アジア経済を肌で学ぶことのできた戸上さんだったが、完全に就職活動のタイミングを逃してしまった。

「修士過程の2年目の夏に留学先から戻ってきたのですが、その頃には世間も『就活終わり』という雰囲気でした。わたしは勉強を第一に考えて『修士論文を書き終えたら就活しよう』と、のんびり構えていたんですよね。翌年1月、無事に修論を提出して、審査も終わった2月頃になって、ようやくお尻に火が点いて就活を始めましたが、どの企業も応募は締め切っているので、まぁ無理でした」

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