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葛飾北斎を世界の浮世絵師にした「ヤバい先輩」 天才画家ゴッホも絶賛、北斎の創作活動の原点

東洋経済オンライン / 2024年1月24日 12時20分

(漫画:湯沢としひと)

学校や仕事で壁にぶつかったときに、どう乗り越えるか。そんなときにヒントとなるのが、歴史上の偉人たちが難局に立ち向かう際に取った行動です。著述家の真山知幸氏の新著『賢者に学ぶ、「心が折れない」生き方 10代のうちに知っておきたい 何度でも立ち直れる、しなやかなメンタルをつくる方法』を一部抜粋・再構成し、浮世絵師、葛飾北斎のエピソードを紹介します。

思い出したくない過去をエネルギー源に

「どうして自分だけがこんな目にあうのだろう」

【漫画】描いた絵がビリビリに破られた、葛飾北斎の驚きの過去

昔のことを不意に思い出してしまい、悔しくて、悲しくて眠れなくなった……そんな夜が誰にでもあるでしょう。

できれば、イヤな記憶は心の奥底にしまっておきたいものですが、むしろ、何度も取り出しては、苦しい思い出を味わったのが、江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎です。北斎は本来ならば、思い出したくもないような屈辱的な過去を、むしろ、前進するためのエネルギーに変えていたのです。

「え! あの北斎がそんな悔しい思いをすることなんてあったの?」

そう驚く人もいるかもしれませんね。 

北斎への評価は日本国内よりも、むしろ海外のほうが高いと言われています。

北斎は数多くの作品を残しましたが、代表作『富嶽三十六景』では、様々な角度から見た各地の富士山が描かれています。天才画家ゴッホも絶賛していたことが、弟への手紙でわかっています。

作曲家のドビュッシーも、この浮世絵から着想を得て、交響詩『海』を作曲しました。世界が誇る偉人の仕事に、北斎は大きなインスピレーションを与えたのです。

まさに日本が誇る偉人中の偉人である、葛飾北斎。一体、どんな子供時代を過ごしたのかが気になりますが、実は記録が少なくてよくわかっていません。

ただ、作画へ興味を持ち始めたのは6歳の頃だったと言われています。13歳にもなると、手伝っていた貸本屋で本の挿絵をのぞいては、絵の勉強をしていたとか。大体、今でいうところの中学生くらいから、絵をちゃんと勉強し始めたということですね。

意外にも、北斎が一番初めに弟子入りしたのは、彫刻家のところでした。北斎は入門後、数年もすれば、文字彫りを担当するようになります。呑み込みがはやかったんでしょうね。そこから浮世絵に方向転換したのは、19歳のときでした。

北斎は、勝川春章に弟子入りし、浮世絵師としての人生をスタートさせました。絵師デビューを果たしたときの名は「勝川春朗」で、15年間で浮世絵版画を約200点以上、挿絵本50冊以上と、かなりの多作でした。

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