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ポケモン似?爆売れ「パルワールド」色々ヤバい訳 発売から4日で600万本販売、ただ懸念もある

東洋経済オンライン / 2024年1月24日 12時10分

SNSが重要になってきた昨今においては、ゲームを売るにしても話題性が必要となる。『パルワールド』は「◯◯のパクりじゃん」とツッコめるようなすきをあえて見せ、言及せざるをえないゲームとなっている。

2つめは、マルチプレイのゲーム(複数のプレイヤーと一緒に遊ぶゲーム)でこれから開発を続けていくところがポイントだと考えられる。

現在の『パルワールド』は早期アクセス(開発途中のゲーム)であり、これからいろいろな要素がアップデートで追加されていく状態だ。いわば未完成で、実際に遊んでみると基本的なシステムはできあがっているものの、飾り気の少ない状況になっている。

「完成してから販売しさらなるアップデートが用意されている」というのが理想ではあるが、話題があるうちに出してユーザーを集め、運営しつつ盛り上げていくという形式は販売側に大きなメリットがある。売れれば資金も集まるし、ユーザーからのフィードバックも受けられるし、うまくアップデートすれば話題が続くからだ。

ユーザーとしてもメリットがある。マルチプレイのゲームは旬のうちに遊ぶべきなので、とにかく盛り上がっているいまプレイすること自体に価値がある。いわば、ライブ感を味わえる状態になっているわけだ。

完成を待っていると発売が遅れ、そのころには「いま人気のゲームをまねしている」という話題性もどんどん目減りしていくだろう。あるいは、『パルワールド』に似たゲームが出てきて人気をかっさらっていってしまうかもしれない。

ポケモンでは絶対にできないことをあえてやる

3つめのポイントは、『パルワールド』が「ポケモンでは絶対にできないことをしている」ところである。

いまやポケモンは世界中で人気の作品である。小さな子どもも楽しめるよう品行方正な作りになっており、「ポケモンを殺して肉にする」といった描写は難しい。一部の作品では「人間がポケモンに殺されかねない」なんてセリフがあるものの、それはあくまで設定レベルの話でしかなく、ダークな部分に踏み込めないのである。

一方の『パルワールド』は、グロテスクな描写こそ避けているが、そういったむちゃくちゃな要素を実現できている。まねする側だからこその特権といえよう。これは話題を呼ぶだけではなく、ユーザーが欲しかったものを提供できるということでもある。

ポケモンの世界でも、あるポケモンが労働したり、戦争に参加したり、ポケモンの一部を食べるといった描写は存在する。実際にはいろいろな歴史があると思われるが、ポケモンのゲームではそういう暗い部分はあまり描写されず、ちょっと触れたとしても本気では描けない。そして、こういう状況に子どもっぽさや物足りなさを覚える人もいるだろう。

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