学生街で「700円台の油そば」が生んだ勢力図変化 原材料高騰に立ち向かう戦略がそこにあった
東洋経済オンライン / 2024年1月24日 12時0分
昨年、早大生のための総合情報誌『Milestone Express』を発行する早稲田大学マイルストーン編集会を取材した。早大の授業情報やサークル情報などを掲載した、早稲田生なら誰でも知っている情報誌だ。
人気ランキングの1位から4位はすべて「油そば」
この『Milestone Express』の別冊『EXPO』には早稲田・高田馬場エリアの飲食店情報が掲載されている。マイルストーン編集会のサークル員が全店食べ歩いてレビューしている気合の入った一冊で、老舗から新店まで多数カバーされている。ラーメン店もたくさん掲載されていて、これほどまでにこのエリアのラーメン店をカバーした雑誌は他にないのではないか。
さらに興味深いのは人気ランキングだ。各サークルの幹事長600人から投票を募って決定しているランキングで、今早大生に一番アツいお店が紹介されている。
高田馬場エリアは都内でもよく知られたラーメン激戦区で、醤油・塩・味噌・豚骨・つけ麺などあらゆるジャンルのラーメン店がひしめき合っているが、『EXPO』で発表されたランキングを見て本当に驚いた。ラーメン店のランキングを見ると、なんと1位から4位までがすべて「油そば」のお店だったのである。
今、早稲田で油そばがこれほどまでに上位を独占している理由は何なのか? 探ってみると、昨今の原材料高騰を背景にした、「学生街」ならではの実情が色々と見えてきた。
早大生人気1位の店をまずご紹介
早大生による投票で、第1位に選ばれたお店は「油SOBA専門店 図星」だ。2013年オープンで既に創業10年以上のお店だ。
「油そば 並」は880円。
具はチャーシュー、細切れチャーシュー、細タケノコ、ネギ、カツオ節、ノリ。麺は極太ストレート。
油多めのタレが麺の下にしっかり敷いてあり、ブラックペッパーが多め。麺がパワフルでとても食べ応えがある。
低温調理のチャーシューの仕上がりもよく、細タケノコやカツオ節、ネギなど食感に飽きの来ないトッピングもセンスが良い。学生向けの大味な一杯かと思いきや、しっかり作り上げられた油そばだ。
途中で「背脂」をコールすると背脂をかけてくれる。これがマイルドで旨い。卓上のお酢やラー油で味変を楽しむのも最高。
最後は追い飯で締める。ご飯の上に特製のカエシをかけて出してくれる。魚介に塩と醤油を合わせた酸味の効いたカエシでこれがまた美味しい。
「安くて美味しく楽しい」油そばの魅力
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