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群馬テレビ「社長解職劇」、限界に達した社員たち 過度な経費削減に問題発言、組合との攻防の末

東洋経済オンライン / 2024年1月25日 7時20分

中川氏は、武井氏の進めてきた経営方針を全面否定しているわけではない。

「前社長の取り組んだ『業務効率の改善』自体は功罪で言えば功であり、良かった部分は引き継いでいく。問題だったのは、急激な改革を誰にも相談せず、いきなり明日からやろうとした手法だ」(中川氏)

この数年の間に人材流出なども深刻化し、当面は事業の継続に向けた基盤固めが優先される。中川氏は「外注先は切るところまで切ってしまっていて、もうこれ以上切りようがない。社員数もここ3年で大幅に減っており、このままでは事業が立ちゆかなくなる。安定的な採用計画を作るために、今動き始めている」と語る。

若手社員の能力を引き出す環境を

コスト削減や業務効率化、新規事業の創出などは、どのローカルテレビ局も直面している共通の課題だ。あるローカル局の幹部によれば、キー局のネットワーク系列に属さない群馬テレビのような独立局では、トップダウン型で改革などが進められる傾向がある。「今回のケースは、それが悪い方向に働いていたのではないか」(同)。

「今後はボトムアップ型で、若い社員の考え、センスを引き出し、彼らが自由にのびのびと仕事をできる環境を作るのが私の仕事。当社には若くて優秀な人材がいて期待している」。中川氏はそう力を込める。

配信サービスの普及に伴うテレビ離れが進む今、ローカル局の衰退は著しい。設立から54年を迎える群馬テレビは、社長交代を経て、いかに荒波に立ち向かうのか。本当の戦いはこれからといえる。

(※解職された武井前社長のインタビューはこちら:群馬テレビ前社長が大反論「あんな発言してない」)

髙岡 健太:東洋経済 記者

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