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大谷グローブ飾った市長は結局何がマズかったか 実は安易に触れるにはリスクが高い案件だった

東洋経済オンライン / 2024年1月26日 9時0分

メジャーリーガー大谷翔平が行った野球界の未来と子どもたちへの思いを込めたグローブのプレゼントを、受け取った自治体が政治利用するケースが波紋を呼んでいる(写真:Sean M. Haffey/getty)

大リーグで活躍する大谷翔平選手が、全国の小学生へ送ったグローブが、いま注目を集めている。2023年の年末から各自治体へ届きはじめ、冬休みが明けて、それぞれの学校に配られつつある。

【写真でみる】大谷グローブをめぐる市長の投稿の一例

そんななか、話題になっているのが「グローブの展示」だ。一部自治体において、市役所のギャラリーなどでの展示が行われているのだが、それが大谷選手のプレゼント趣旨に反しているのではと、批判の的になっているのだ。

グローブの展示でバッシング

グローブの展示で、なかでもバッシングが出ているのが、大分県別府市だ。長野やすひろ(恭紘)市長がSNSに、グローブを手にした自身の写真を「キター!」と投稿。追って「私が見るだけではもったいない!という事で、市役所正面入口に当面飾ります!」と明言したことから、「私物化ではないか」「飾るのは本来の趣旨ではない」と批判が殺到した。

長野氏は苦言に対して、「できる限り市民の皆さんにも見てもらい、少しの勇気や元気にしてもらいたい」との思いは、市教育委員会の意見でもあると、Facebookで反論しつつ、「表現が悪く誤解させてしまい申し訳ありません」と謝罪した。

その後、SNS上での盛り上がりを受けて、地元テレビ局などがニュース記事化。X(旧ツイッター)では「大谷グローブ」「市長の私物」がトレンド入りし、さらに非難の声は増していった。

別府市公式サイトによると、市役所1階ロビーでの展示は当初、1月18日から29日まで。その後については「大谷選手のお気持ちを大切にし、各学校で活用させていただきます」と書かれていた。しかし、批判を受けて、公開期間は27日までに短縮されている。

「子どもたちのために」大谷翔平のグローブ

ここで、念のため「大谷翔平のグローブ」について、おさらいしておこう。全国の小学校約2万校すべてに3個ずつ、あわせて6万個を寄贈するというもので、2023年11月にプロジェクトが発表された。大谷選手は発表当時、インスタグラムで「このグローブを使っていた子供達と将来一緒に野球ができることを楽しみにしています!」と語っている。

そんな思いが込められたグローブを、どのように扱うのか。他の自治体を引き合いに出して、別府市の対応を非難する声もある。

たとえば岐阜県美濃加茂市・藤井浩人市長は「市に届いたその日に一日でも早く子供達のもとへと、学校に送りました。12月の2学期終業式前には、学校で子どもたちの手元に届いています!」とXに投稿。岡山県総社市の片岡聡一市長も、「みんな大喜びでさっそくキャッチボールをしたところ、この子の豪速球には驚いた!」と動画とともにSNS投稿した。どちらも「本来の趣旨にあっている」と、好印象を残しているようだ。

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