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お金・偏差値…「数字に振り回されてる人」の盲点 田内学×近内悠太「お金と贈与」トーク【前編】

東洋経済オンライン / 2024年1月27日 13時30分

数字はあくまで「対外部」のため……数字から少しでも自由になるヒントをご紹介します(画像:taa/PIXTA)

元ゴールドマン・サックスのトレーダー、金融教育家の田内学さんと、教育者、哲学研究者の近内悠太さん。

2023年10月に田内学さんが『きみのお金は誰のため』を、2020年3月に近内悠太さんが『世界は贈与でできている』をそれぞれ刊行し、いずれも話題のベストセラーとなっている。

そんな2人のトークイベントが、昨年11月17日、東京の青山ブックセンター本店で行われた。『きみのお金は誰のため』の制作に大きく影響を与えた、近内さんの「贈与論」を交え、社会を変えるためのキーワードである「お金と愛」をテーマにした2人ならではのトークを、再編してお送りする。

「お金の教育」にいちばん大切なこと

田内学(以下、田内):今回書いた小説『きみのお金は誰のため』を作る前に、近内さんのご著書『世界は贈与でできている』に感銘を受けて、お知恵を拝借しました。

【写真】経済教養小説『きみのお金は誰のため』には、「勉強になった!」「ラストで泣いた」など、多くの読者の声が寄せられている。

近内悠太(以下、近内):出版おめでとうございます。とんでもなく売れてますよね、今5万部ですか?

田内:5万部ですね。おかげさまで。(編集部注:記事公開時点では15万部)

近内:以前の著書『お金の向こうに人がいる』を、よりわかりやすく伝える目的で書かれましたか?

田内:前半はそうで、後半は仲間や愛について書いています。

去年、社会学者の宮台真司さんに言われたんですよ。若い人たちの教育のために、ネット配信の経済番組を作ってほしいって。そこで、宮台さんに「教育でいちばん大事なのは何だと思いますか?」って聞いたら「愛だよ」っておっしゃったんです。

近内:なるほど。

田内:それもあって、本の最後に贈与や愛の話を入れました。愛って、子をもつ親ならすんなりわかるんですけど、中高生には伝わりづらいので、フィクションの中で伝えていきたいなと思って小説にしたんです。

お金・偏差値・いいねに振り回されないために

田内:さて、今回のイベントのテーマは「“お金・偏差値・いいね”数字に振り回されない生き方」なんですけど、僕はお金と偏差値、いいねには、やっぱり振り回されちゃいます。

近内:僕もけっこう、いいね見ちゃいますよ。

田内:僕の父親は中卒で苦労したらしく、物心ついたときから東大に行けと言われていたんですよね。その影響もあって、偏差値に振り回されて生きてきました。

偏差値がすべてじゃないと思いながらも、その後ゴールドマン・サックスに入って数字に振り回されて、家族を持ってもまた別のことで数字に振り回されてしまっています。

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