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お金・偏差値…「数字に振り回されてる人」の盲点 田内学×近内悠太「お金と贈与」トーク【前編】

東洋経済オンライン / 2024年1月27日 13時30分

どうすれば、振り回されずに生きていけると思いますか?

近内:振り回されない生き方は過酷ですけど、それでもいいんですか? って僕は思います。

田内:過酷?

近内:数字に従えば、私はこのデータ、統計に従っただけですって言い訳ができますけど、数字に振り回されない生き方は客観的で外的な根拠がないから過酷だと思うんですよ。覚悟というか、勇気というか。そういった自身の内側にある信念が必要になる。

なんであなたはそれを選んだんですか? なぜそのように判断し、決断したのですか? って聞かれても、私が選びたかったから、そうすべきだと考えたからとしか言えなくて、理由の説明ができないわけですよね。

田内:数字とかエビデンスがあると、これを基に選んだんだから仕方がないと諦めがつくし、未来の自分に対しての言い訳としても、数字があったほうが楽ではありますよね。

近内:それでも、できるだけ振り回されないためには、なんだか今日はやけに楽しいなぁって思う瞬間を大事にして、その瞬間を共有できる仲間を増やすことですかね。ともに時間を無駄遣いするっていうのが大切なんです。

田内:今を生きるってことですね。

近内:外部に物を売るとお金が増えたり減ったりするけど、内部で助け合うときにはお金は増えも減りもしないっていう話、田内さんの小説の中にありますよね。結局、数字ってどうしても対外部のもので、絶対身内には発生しないんですよね。

田内:恥ずかしい話をするんですけどね、自分の書いた本についてどう思っているのかを、今まで怖くて家族には聞けていなかったんです。

でもあるとき、テレビ出演時の身だしなみをダメ出しされたときに、「せっかくあなたいいこと言ってるんだからさ」って言ってくれて。僕、嬉しくて泣いちゃって。

近内:田内さんって本当に素直な方ですね(笑)

田内:書いたものがどれだけ読まれたとか、順位とか、かなりどうでもいいことに感じて。身近な人にどう思ってもらえるか、どんな影響を与えてるかのほうが、はるかに大事だなと実感しました。

さっき「今この瞬間の幸せが大事」って話が出たんですけど、時差があったとしても、気づかぬうちに誰かに何かが伝わることもあると思います。

そういう経験があると、数字に振り回される生活がリセットされるような感覚になりますね。

不安ビジネスに振り回されている私たち

田内:日本の経済が停滞していた「失われた30年」と呼ばれる時代がありますよね。当時は、物が足りなくて我慢するのが当たり前で、物があったらラッキーな不足経済でした。その時代は、物を作ればいくらでも売れた。

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