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「67歳同士での再婚」反対押し切った2人のその後 「派手な妻」「経営者の夫」は遺産相続で揉めたが…

東洋経済オンライン / 2024年1月28日 13時10分

「前の結婚は29歳のときです。見合い結婚で、妻は私より2歳年下でした。結婚してしばらくして●●●(新興宗教名)にハマってしまって、ずいぶん金をつぎ込んでいたみたいです。私は車が好きで何台も持っていたので、お互いに好きなようにやっていたとも言えます」

「お父さん、再婚してもいいのよ」

徹さんの長女も同じ宗教に入信している。長女が教団の意向をくんだ相手と結婚してから徹さんの前妻は悩み始める。長女の夫のことがどうしても好きになれず、かといって教団に逆らうこともできない。

「すごく痩せてね、うつになって、あるときに亡くなった。そう言えば死に方はわかるでしょう。私が62歳のときでした。それから2年間ぐらいは地獄だったよ」

ようやく立ち直ってからは独り暮らしの寂しさが身に染みた。コンビニやスーパーで買った食事を食器も使わずに台所で食べ、家業の工場に通うだけの日々。コンビニで店員から「お弁当を温めますか?」と聞かれるのが女性との唯一の会話だったと振り返る。

そんな父親の様子を見ていた長女が「お父さん、再婚してもいいのよ」と言ってくれた。信仰が原因でギクシャクしていた家族もこの頃までは親愛の情で結ばれていたのだ。

「結婚相談所に入ったけれど、お見合いはほとんどできませんでした。財産は子どもたちに遺したいと思って未入籍を希望したので不人気だったみたいです。4歳下のおばさんと会ったこともあるけどちっとも面白くなかった。

そんなときに(文子さんから)申し込みが来た。前から写真を見ていて、『いいな~この女、最高!』と思っていたから、しめた!と思ったね」

初対面の他人である筆者と話しているのに、女性のことを「おばさん」や「女」と表現してしまう徹さん。言葉遣い自体がだんだんと粗くなっている。飾り気のない無骨な人なのだろう。そして、男性は何歳になっても女性の見た目に左右されることもわかる。

一方の文子さんも振り切れている。猫をかぶっても仕方ないという考え方のもと、お見合いの服装も「普段着」で臨んだのだ。白いワンピースで素足にサンダル履き、赤いペディキュアといういで立ちだ。

「派手な女だな~と思ったね。一緒に住むようになってからは、いい加減だな~と思っているよ。例えば、四角い部屋を丸く掃除する(笑)。死んだ妻が真面目過ぎたから、ちょうどいいけど」

しかし、徹さんの長女と長男は文子さんの華やかな外見と言動に拒絶反応を示した。亡き母とのギャップの大きさを受け入れられなかったのかもしれない。

「この家をいただこうなんて思っていませんよ」

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