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JR旅客6社&貨物の「新規事業担当者会議」に潜入 鉄道に匹敵する「新たな事業柱」を育成できるか

東洋経済オンライン / 2024年1月29日 6時30分

1月17日に敦賀市内で行われたJRグループ新規事業担当者会議(記者撮影)

日頃はライバル関係にある企業の担当者たちが定期的に会合を開いて親睦を深めたり、情報交換を行ったりする例はどの業界でも見られる。JRも例外ではない。

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旅客6社と貨物会社、計7社の新規事業の担当者が一堂に会する「JRグループ新規事業担当者会議」。その21回目の会合が1月17~18日の2日間にわたり福井県内で開かれ、その模様を取材した。

JR各社の新規事業担当者が集結

初日の会場はJR敦賀駅の近くにあるコミュニティセンター「プラザ萬象」の会議室。開始予定時刻の30分ほど前に会議室に到着すると、数社がすでに席についていた。15分前には全社のメンバーがそろった。さすが時間に正確なJRである。

どの会社も複数名が出席。2人という会社が多いが、5人参加した会社もあった。ゲストとして招かれた福井県嶺南振興局のスタッフなども含め、参加人数は24人。会議前には担当者どうしの名刺交換も行われていた。新規事業を行う各社の部署名は「事業開発本部」「事業推進本部」「ビジネス推進部」などさまざま。会話の内容から、すでに顔見知りの関係にある担当者たちもいるようだ。

14時15分に会議が始まった。まず、幹事役を務めるJR貨物の担当者が挨拶に立ち、続いて嶺南振興局の局長が敦賀・若狭エリアの紹介を始めた。福井県は子供の教育水準が高いことや、職場定着率が全国1位といった点を説明し、福井に企業拠点を構えるメリットを訴えた。

このあと各社によるプレゼンが始まったが、「今後の各社の事業に影響が出るおそれがある」としてここで退室を促された。あとで話を聞くと、1社ずつ自社の新規事業の取り組みをプレゼンし、それについての質疑応答。これが7回繰り返されるという流れ。終了予定時刻は17時30分。本来なら各社の発表と質疑応答の後に全体を通したディスカッションが行われる予定だったが、活発な質疑応答が予想以上に時間を食い、全体ディスカッションまでには至らなかったという。

土地が枯渇し、知恵を使う段階に

日本国内における鉄道は成熟産業であり、今後の飛躍的な伸びは期待できない。その意味で各社が鉄道に頼らない経営の多角化に力を入れるのは必然だった。

JRの中でも経営の多角化が進んでいるのがJR九州だ。2022年度の連結売上高の実に3分の2を非運輸事業が占める。非鉄道事業に力を入れる理由は、首都圏や関西圏といった人口が集積する基盤を持たず、九州のみで鉄道業を営むには限界があるためだ。

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