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部下の見極めは「ABテスト」活用が効果的だった マーケティングの手法を使って"洞察"してみる

東洋経済オンライン / 2024年1月31日 7時30分

部下との会話に「ABテスト」を取り入れてみたら新しい発見がありそうです(写真:kotoru / PIXTA)

近年、中間管理職のなかで問題となっているのが「上司の負担増大」だ。その原因は3つある。

【画像で見る】部下に試してみたい「ABテスト」の質問例とは?

(1)人手不足で総労働時間が急減している
(2)にもかかわらず革新を求められる
(3)デジタル対応をはじめ新たに覚えることが急増している

そのうえ部下が一人でもいれば、「部下の育成」というさらに大きな課題も持ち合わせることになる。

こんな状況では、年齢を重ねるごとに負荷が増えていく。手詰まり感を覚える「上司」も多いことだろう。

「部下の育成」は見極めの精度を上げる

そこで私は提言したい。「部下育成に引っ張られてはならない」、と。

部下には多様なバックグラウンドや価値観があり、個々に合わせた育成やサポートが求められる。上司は部下が何をできて、何をできないのかを迅速に見極め、必要なスキルを身につけさせなければならない。

一方で、あまりに部下育成に時間や労力をかけてしまうと、自分自身が直面している多くの課題を解決できないまま放置することになる。

そうなると「負の連鎖」が止まらなくなる。

人間の意識というのは、基本的に1つのものにしか当てることができない。3つの課題を抱えているのなら、1つ目の課題、2つ目の課題、3つ目の課題……と、1つずつ課題を解決していかなければならない。並行して3つの課題を解決するだなんてこと、よっぽど器用でない限りできないのである。

そのため最も負担の大きい「部下の育成」は、見極めの精度を上げていく必要がある。何を諦め、何を諦めないのかを見極めるのだ。

渋沢栄一の人間観察法「視観察」

見極める力をアップするのに必要なスキルが「洞察力」だ。

洞察力を養うために有効な手法として、私は渋沢栄一の「視観察」をおススメする。「視観察」とは、渋沢栄一の著書『論語と算盤』に書かれてある人間観察法だ。

まずは「視観察」それぞれの意味を簡単に解説していく。

・視 → その人の外見や行動を見ること
・観 → その人の行動の動機を見ること
・察 → その人が何に対して喜び、満足を得るかを見ること

「視観察」の話をすると、ほとんどの人が「観」と「察」が難しいと感想を言う。しかし、侮ってはいけない。「視」も意外と難しいのだ。

人間は「自分の見たいようにしか見ない」生き物だ。先入観もなく、その人の外見、言葉、行動を正しく見ているだろうか。

部下がどんなときに、どんな表情をし、どんな言葉を発し、どれぐらい行動をしているか、正しく把握している上司は、それほど多くない。

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