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「生活のために働く意識」が貧しさにつながる理由 「やりたいことを追求する」とお金もついてくる

東洋経済オンライン / 2024年2月1日 12時20分

生活のために働くことは、結果としてお金持ちから遠ざかってしまうことに(写真:Luce/PIXTA)

幸せな生活を送るには、お金が必要だ。そう考えて、仕事や投資を頑張っている人も多いのではないでしょうか。しかし脳化学では、お金ばかりを追求している人は生活の幸福度や満足度が低いということがわかっているのだとか。

幸せになるためには、どうすればいいのか。脳科学者の茂木健一郎氏が、「お金」と「幸せ」の関係性について解説します。

本稿は『一生お金に困らない脳の使い方』より一部抜粋・再編集したものです。

本質的な幸せは、お金では得られない

戦後、内田百閒は、お金のないときにお酒を飲む際、ご飯粒をつま楊枝に刺して七輪で炙あぶり、それを醤油につけてつまみにしたのです。そして、それが最上の幸せだといったそうです。

確かに、高級料亭で美味しいお酒を飲むよりも、安酒で、ご飯粒を醤油につけてというのは、究極の自由という意味でいえば贅沢な気がします。また、今でこそ何億円もするような千利休の茶道具がありますが、それらはもともとは利休自身が竹藪に入って竹を切って作った花入や茶杓であって、原価はタダ同然だったはずです。

それを考えれば、すごく安いものと高いものの価値観というのはつながっていて、ある程度の経験をすることで見えてくることがあります。私は学生で飛行機のエコノミークラスにしか乗っていないときは、「ビジネスクラスやファーストクラスに乗ると、どんなすごい世界が待っているんだろう」と思っていました。

それこそ優雅にシャンパンを飲みながらキャビアを食べたりするとどんな気分なんだろう、と。そのうち社会人になって、仕事などでビジネスクラスやファーストクラスに乗せてもらえるようになったときに、「ちょっと狭くて寝にくいけど、エコノミークラスでも十分だな」と心境が変化していったのです。

「ああビジネスクラス、ファーストクラスいいなあ」と思っていても、実は想像している以上の大した差はありません。ここで肝心なのは、人間の本質的な幸せというものは、お金によって得られるものではないということを理解するためには、ある程度経験しないといけないということです。

本来持っている、人間とお金の関係上の性を乗り越えて、自分が幸せであるという境地に行き着くということこそ、幸せの本質だと私は思います。読者の皆さんも、改めて幸せの本質を目指してみてはいかがでしょうか。

そのためにはある程度のお金を稼いで、そういうことも経験してみて、その上で「ああ、お金だけで幸せって買えないんだ」と思えたら、それは素敵なことだと思います。

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