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「生活のために働く意識」が貧しさにつながる理由 「やりたいことを追求する」とお金もついてくる

東洋経済オンライン / 2024年2月1日 12時20分

私が育ったのは埼玉県だったので、東京に対するコンプレックスのようなものを持っていました。今になって青山や赤坂を歩いていても、レストランに入ってみても、「なんで、あのときあんなコンプレックスを持っていたんだろう」と不思議に思うことがあります。

でもそれは、私自身が社会に出ていろいろな経験を積んできたことによって、幸せの本質に近づけたからにほかならないのです。

お金ばかりを追求する人は幸福度が低い?

世の中にはたくさんお金を持っている人がいますが、それでも満足できなくてずっとお金を追い続けるというタイプの人がいます。おそらく、そのようなタイプの人は幸福度が低いのだと思います。

私は脳の研究をしていて「幸福とは何か」という、人間が生きる上でとても重要なテーマを扱っているのですが、お金ばかりを追求している人というのは、生活の幸福度や満足度が低いことが多いのです。

だからこそ、宮崎駿さんや大谷翔平選手のような生き方に憧れるのです。芸術家やアスリートというのは、お金が目的ではないということがなんとなく理解できるはずです。

絵コンテを描いている時間というのは、それが楽しい、うれしいということであって、その結果として宮崎さんの場合であれば映画が成功してご自身も経済的な見返りがあると思うのですが、そこでは、お金を追うことが本筋ではないということです。また、大谷翔平選手が1本ホームランを打てばいくらの儲け、という意識で打席に立っているとは思えません。

お金自体を目的とするということは、お金を儲けるということにおいては役立つこともあるかもしれませんが、クオリティ・オブ・ライフ、あるいはどれくらい幸せかということこそが、お金と幸せのバランスを考える上での重要なポイントなのです。

「生きたお金」の使い方が幸せにつながる

人間には所有欲というものがあり、お金があれば物やサービス、あるいは時間を買ったりできる。そのためにいかにお金を稼ぐか、お金を貯めるかということを考えるものだと思います。

しかし、お金自体を目的にしてしまうと、人間の脳が本来最も喜びや幸せを感じる「生きる手段」からずれていってしまうと思います。また、不思議なことに、他の人が貧乏なのに自分だけがお金を持っている状況に対して、脳はあまり幸せを感じないようなのです。

脳科学の研究においても、自分がすでにお金をたくさん稼いでいるときに、自分がさらにお金を稼ぐのと、自分の周りの人たちがお金を稼ぐことのどちらがうれしく感じるものなのか、というテーマがあります。

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