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「生活のために働く意識」が貧しさにつながる理由 「やりたいことを追求する」とお金もついてくる

東洋経済オンライン / 2024年2月1日 12時20分

普通であれば、自分がお金を稼ぐほうがうれしいはずなのですが、自分がすでに満足するほどのお金を稼いでいる場合に限っては、周りの人がお金をたくさん稼ぐことがうれしくなり、脳内のドーパミンなどの報酬系が活発化するのです。

つまり、不平等が減るほうが脳にとっては幸せであるということが研究でわかっているのです。確かに、お金をたくさん稼ぐ、お金をたくさん持っているというほうが幸せかもしれないということは誰もが思うことかもしれません。

しかし、その一方では、周囲の人たちとの人間関係や時間の共有といったことも幸せということに大きく関係しているのです。あまりにも貧富の差がありすぎると結局は幸せに感じられないため、誰かにプレゼントをあげたり、飲み会でおごってあげたりするような行動が生まれるわけです。

そういう、「生きたお金の使い方」が自分の幸せにもつながるということが、脳のメカニズムでも解明されているのです。そのような意味において、日本のお笑いタレントで映画監督の北野武さんは理想的だといえます。

お金もあって成功もしていますが、自分だけ売れて幸せというよりは、軍団のメンバーを育てながら幸せの還元を考えていたり、「俺は浅草に育ててもらったから浅草にお金を返すんだ」ということで、浅草で声をかけられた道行く人に、お金を渡したりしていたという話も聞いたことがあります。

人生はお金だけではない。夢を追い求めるもの

当然ですが、名誉はお金では買えません。例えば、ノーベル賞は10億円出せばもらえるものではありませんし、国民栄誉賞も同じです。人間はお金を手にすると、次に名誉を求めます。

それは、スポーツ選手も同様です。何億円ももらっているクラブチームでの試合よりも、ナショナルチームの一員として国のために戦うことに誇りと名誉を感じるものです。

また、本当に稼ごうと思ったときは、おそらく国際金融で働くのが一番いいはずです。それこそ、ボーナスが何十億円という世界です。しかし、すべての人がそうしないのはなぜでしょうか。それは、やはり人生はお金だけではないと思っているからです。人は、クリエイティブなことに夢を追い求めるところがあります。

例えば、アニメーターは給料が低いとされますが、多くの人がアニメーターに夢を抱きます。これはよくいわれていることなのですが、仕事の内容がおもしろければおもしろいほど、たとえ給料が低くても人が集まってくるのです。

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