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京阪石山寺駅を紫一色に変えた「大河」への期待感 源氏物語ゆかりの地、石坂線の「小ターミナル」

東洋経済オンライン / 2024年2月1日 6時30分

紫色に衣替えした京阪電気鉄道石山坂本線の石山寺駅。車両は「びわこ号色塗装」の600形(記者撮影)

「琵琶湖の水、止めたろか」は、プライドが高く“いけず”な京都人に対して滋賀県民が言い放つ決まり文句として、あまりにも有名なフレーズだ。そして「水の出口である琵琶湖疏水と瀬田川の堰は滋賀県の管轄でない」「実際に水を止めると困るのは滋賀県」という“マジレス”までがセットでご当地ネタの定番となっている。

【写真を見る】紫式部にあやかって駅名標など駅全体が紫色に?京阪電気鉄道の石山坂本線沿線がいかに大河ドラマ「光る君へ」に期待を寄せているかがよくわかる。

琵琶湖疏水と瀬田川を沿線に抱えるのが京阪電気鉄道の石山坂本線(いしやまさかもとせん)だ。2両編成の電車が走る14.1kmの路線で「石坂線」とも呼ばれる。沿線はいま、大河ドラマ『光る君へ』を機に盛り上がりを見せている。

滋賀を走る京阪の路線

京阪電車はその名の通り、京都と大阪を結ぶ。京都市の出町柳と大阪市の淀屋橋の間では有料座席の「プレミアムカー」を連結した特急や快速急行が行き交い、同社の大動脈となっている。

三条駅では京都市営地下鉄東西線の三条京阪駅と地下で乗り換えられる。地下鉄東西線は、西端には京福電気鉄道嵐山本線の嵐電天神川駅、反対側の端にはJR奈良線や京阪宇治線の六地蔵駅がある。

その地下鉄東西線の途中、御陵(みささぎ)駅から東へは京阪の京津線が延びる。府県境を越えて滋賀県に入り、びわ湖浜大津駅に至る。1997年の東西線開業前は三条―御陵間が路面電車のように地上を走る併用軌道だった。

東西線と京津線は直通運転をしており、逢坂山越えでは登山電車のような急曲線・急勾配、大津市内では併用軌道区間と、地下鉄に入る車両ながらバリエーションに富む車窓が楽しめる。時間はかかるが、京都市中心部から混雑する京都駅を経由せずに直接大津方面へ抜けることができる。

そして、びわ湖浜大津駅から南北に走るのが石坂線。この石坂線と京津線と合わせて「大津線」といい、京阪電車にとっては京都と大阪に加え、もう1つの拠点エリアとなっている。JR東海道本線との乗換駅である京阪石山駅から南へ、終点にあるのが石山寺駅。途中の唐橋前は、瀬田川に架かる旧東海道の名所「瀬田の唐橋」の最寄り駅だ。

駅から石山寺の山門までは徒歩で約10分の距離があるが、途中の参道や門前に店舗が並んでいて、それほど遠くは感じない。石山駅から山門前まで京阪バスを使う手もある。

石山寺は、747年に聖武天皇の勅願で良弁が創建したと伝わる古刹。良弁は東大寺の開山で、一説には幼いころ、母親が農作業をしている隙に鷲にさらわれ、奈良の二月堂まで連れてこられたところを助けられ僧として育ったという。

『源氏物語』ゆかりの古刹

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