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バーガーキング「増やそう」施策が秀逸すぎる理由 街のスキマを見つけるトレンドにマッチしている

東洋経済オンライン / 2024年2月2日 18時30分

例えば、マクドナルドも、初期は、同社の実質的な創業者であるレイ・クロックが自分自身で出店候補地を見つけ出していた。ヘリコプター5台を使い、今までだれも見つけることのできなかった立地を見つけ出していったのだ(レイ・クロック『成功はゴミ箱の中に』)。

出店戦略は、企業の中枢を支える戦略であり、それだけにそこにかかる負担や労力は大きい。だからこそ、顧客に立地を見つけてもらう、というバーガーキングの逆転の発想は合理的なわけである。しかし、なぜ今まで多くの企業がこうした発想ができなかったのか。

それは、「立地戦略」自体がきわめて専門性の高いものだと思われていたからだ。日本におけるチェーンストア戦略の祖といえる渥美俊一は、自身が組織した勉強会「ペガサスクラブ」で出店についての勉強会をたびたび行っていた。

そうした成果は、渥美が出版したいくつかの本に書かれていて、ここからも「出店戦略」は素人にはできない、プロが行うものだという認識が強く根付いていたことがわかるだろう。だから、それを消費者に見つけさせるという発想がなかなか出てこなかったのである。

しかし、近年ではこうした出店のトレンドに変化が生じている。それが「居抜き」出店だ。近年の店舗開発のトレンドの一つはこの「居抜き」にある。業種は異なるが、そのような「居抜き」トレンドに乗じて店舗を増やしているのがコンビニジムとして知られる「チョコザップ」だ。最近、街を歩いていると「チョコザップ」の数が増えてきたことに気が付かないだろうか。

チョコザップは、昨年9月に国内1000店舗を突破。その躍進力の一つが、居抜き出店だ。既存の空きテナントを巧妙に探し出し、そこをチョコザップに変えてしまう。

居抜きならば開業費用も抑えられるし、チョコザップの場合は、空間にトレーニングマシンを置くだけだから、大きな工事も必要ない。

「居抜き」トレンドで「街のスキマ」を顧客に探させる

また、それ以前に「居抜き」を巧みに使って大きな利益を作り出したのが、ディスカウント・ストアの「ドン・キホーテ」だ。

日本全国のドンキの来歴を見ていくと、元々はスーパーだったり、アミューズメント施設だったりと、ありとあらゆる施設を居抜いている。そのためにドンキは全国に店を増やすことができ、それが同社の34期連続増収に貢献している。

日本のありとあらゆるところに建物があり、店がひしめく今、新しい建物を作り直すよりも、既存の店舗を居抜いた方がコストパフォーマンス的にも優れているし、手間もかからない。バーガーキングも、近年閉店したマクドナルドの店舗を居抜く形で新店舗を作っているので、この「居抜き」トレンドに乗じてきた企業だといえるだろう。

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