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紫式部が青春時代に直面した「悲しい2つの別れ」 母のように接した姉の死と、もう1つの別れ

東洋経済オンライン / 2024年2月3日 11時10分

その一文は、一条天皇の目に触れ、天皇をいたく感動させるのです。感動されたばかりか、天皇は俊英を十分に活用できていなかった自らを恥じ、食事も取られず、引きこもってしまいます。

父の出世の裏で、不安を抱く紫式部

その様子を見たのが、藤原道長でした。道長は、自らの乳母子(乳兄弟)の源国盛が越前守に任命されたのを止めて、代わりに為時を越前守に任じたのでした。一条天皇は、道長の処置に大層、満足されたようです。為時の行為は、ある意味、賭けとも言えるものでしたが、それが見事、成功したのでした。

しかし、式部の心情はどのようなものだったでしょう。都から遠く離れた雪国に行かなければならない。住み慣れた都を離れなければいけない。越前とはどのような国であろうか。好奇心もあったでしょうが、不安もまた去来したように思います。

(主要参考文献一覧)
・清水好子『紫式部』(岩波書店、1973)
・今井源衛『紫式部』(吉川弘文館、1985)
・紫式部著、山本淳子翻訳『紫式部日記』(角川学芸出版、2010)
・倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社、2023)

濱田 浩一郎:歴史学者、作家、評論家

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