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「スマホ依存」抜け出せない人がまず観察すべきもの マインドフルネスの活用で衝動を"やり過ごす"

東洋経済オンライン / 2024年2月4日 19時0分

「スマホ依存」の弊害と、そこから脱却するための思考法について解説します(studio-sonic/PIXTA)

集中力や記憶力、創造性を減衰させる危険があることも証明されているスマホだが、完全に手放すのはなかなか難しい。そんな中、自身も陥っていたという「スマホ依存」から抜け出すために「スマホ断ち」プログラムを開発したキャサリン・プライス氏が、「スマホ依存」から脱するための思考法について紹介します。

※本稿はキャサリン・プライス著『スマホ断ち 30日でスマホ依存から抜け出す方法』から一部抜粋・再構成したものです。

スマホにかまけていると「フロー」には入れない

”フロー”というのは心理学者のミハイ・チクセントミハイが提唱した概念で、ひとつの活動に完全に没頭している状態を指す。歌唱やスポーツ、また仕事で体感することもできるものだ。

フローに入ると、目の前のことに集中するあまり時間感覚がなくなる。その行為と自分とのあいだの境界がなくなり、いわゆる忘我の境地になる。対象にすっかりのめりこんだ、ゾーンに入った状態だ。

フローによって、人生を豊かにする体験や永続的な満足感がもたらされるという。

けれど、気もそぞろな状態ではひとつの行為に浸りきるのは無理だ──当然ながら、フローにも入れない。スマホが注意を奪うツールである以上、使う頻度が高くなればフローには入りづらくなる。

創造性──新たな着想を得るこのプロセスにも精神の解放と脳のゆとりが必要だが、どちらもスマホにかまけていると得られにくいものだ。創造性を発揮するには、じゅうぶんな休息がいる。

ワシントン国立小児病院の睡眠医療科長であるジュディス・オーウェンズいわく、「睡眠不足は記憶、創造性、言語の創造性だけでなく、判断力ややる気にも悪影響を及ぼす」。

創造性は退屈さのなかで開花することも多いが、それもまたスマホによって私たちが大いに回避しやすくなった精神状態だ。

私が思うに、創造性にとって退屈がいかに重要かは、リン゠マニュエル・ミランダの言葉に集約されている。

数々の賞に輝いたミュージカル『ハミルトン』の生みの親であり、破格の天才はGQ誌のインタビューに次のように答えた。

「子供のころのことでよく覚えているのが、車で三時間の道のりを親友のダニーと過ごしたときのことだ。ダニーは車に乗るまえに庭先で小枝を拾って、車に乗ってるあいだじゅうずっとそれで遊びをつくってた……小枝でだよ。

棒は人間になったり、もっと大きな何かの一部になったりして、しゃべりだしたかと思ったら、今度は電話になった。ダニーの隣でぼくはドンキーコングを抱いてすわっていたんだけど、こう思ったよ。

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