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「スマホ依存」抜け出せない人がまず観察すべきもの マインドフルネスの活用で衝動を"やり過ごす"

東洋経済オンライン / 2024年2月4日 19時0分

すごいや、こんな枝切れで三時間も楽しめるなんてって。それで、よし、ぼくも自分の想像力を鍛えるぞって思ったんだ」

これを読んだとき、私は心のどこかで、小枝で遊ぶ時間をもっと増やさなきゃと思った。と同時に、それとは別のひねくれ者の自分が、「だれかがそういうアプリをつくりそう」と考えていた。

自分の人生を取りもどすのに必要な「スマホ断ち」

不安や緊張、そして[欲求が起こす]むず痒さとともに過ごすことを、私たちは学びます。そこを搔きむしりたい思いを抱えたまま、じっとすわりつづける練習をします。そのようにして、人生を支配しかねない依存的な行動パターンの、反応の連鎖をくい止める方法を身につけるのです。──ペマ・チュードゥン (チベット仏教の尼僧)

いい知らせがある。スマホによる悪影響の多くは取り消せる。集中の持続時間はまた延ばせるし、集中力も取りもどせる。ストレスを減らし、記憶力を改善し、夜にはふたたび熟睡できるようになる。

スマホとの付きあい方を変えることができれば、このデバイスから自分の人生を取りもどせるのだ。

その道案内をするのが”スマホ断ち”だ。ここではスマホ断ちの背景となる手法と考え方について少し説明しておこう。

マインドフルネスは定義のむずかしい言葉だ。けれど、スマホ断ちという目的を考えると、マサチューセッツ大学医学大学院マインドフルネスセンター研究責任者、ジャドソン・ブルワーの定義がいちばんしっくりくるだろう。

「マインドフルネスとは、世界をより正確に観察することである」──そこには、自分自身も含まれる。

このシンプルな概念はじつはとてつもなく強力だ──依存習慣を断つことにかけては、特にそうだ。どれほど強力なのか。

まずはマインドフルネスで「衝動」と向き合うこと

2011年、ブルワーおよび共同研究者たちは、無作為に抽出した被験者を対象に、マインドフルネスの実践が禁煙に効果があるかを検証する比較実験の結果を発表した。

より具体的に言うと、禁煙プログラムとして広く受け入れられている、アメリカ肺協会の”定番”プログラムと、マインドフルネスを比較するのが目的だった。

2年間の実験で100人近くの喫煙者がランダムに選ばれ、ふたつのグループに分けられた。一方は定番プログラムに参加し、もう一方はマインドフルネスを実践した。

”マインドフル”な喫煙者は、最初にブルワーから習慣のループについての説明を受けた。依存衝動を引き起こすきっかけの見つけ方を学び、自分の衝動(と、反応)をどうにかしようとするのではなく、そこに注意を向ける練習を重ねた。

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