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「傷つく言葉」の裏に隠された真実が自分を変える 「泣き虫」名門女子校の校長が語る"涙の効用"

東洋経済オンライン / 2024年2月4日 17時0分

思いがけない言葉を投げられ、傷ついたり動揺したりしたことで気づきにつながり、自分自身がより良い方向へ変化するきっかけになることもあります(写真:metamorworks/PIXTA)

「こうみられたい」「こんなふうにならなければいけない」と、他者を気にして生きづらさを抱える人は多いでしょう。広島にある名門女子校、ノートルダム清心中・高等学校校長の神垣しおりさんもそのひとりでした。

しかし、ある言葉がきっかけで生きづらさが軽減したといいます。その一言について詳しく聞いてみました(神垣さんの著書『逃げられる人になりなさい』から一部抜粋し、お届けします)。

進歩は傷つく言葉から生まれる

言葉には人を励まし、癒す力があります。しかし、ときには言葉が相手の心を傷つける刃物になることもあるものです。日々多くの方と接する身として、何気なく発した言葉が誰かを攻撃する武器にならないよう気をつけなければと自戒する毎日です。

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しかし、受け取ったときはとてもショックだった言葉が、その後、自分を変える大事なきっかけになることもあります。

高校3年生のとき、ある友人に「あなたは八方美人ね」といわれました。

言葉とは不思議なもので、それが何十年前のものであったとしても、大きな影響をもたらしたものは鮮明に覚えています。

その友人がどんな意図でいったのかはわかりません。でも、面と向かって突然言われ、動揺しました。また、自分はそんなふうに見えていたのかと傷つきもしました。

今思えば、当時は、人から嫌われたくないという思いが強く、それが行動にも表れて「八方美人」という言葉になったのでしょう。その後、自分の意思をもっと大切にしようと意識するようになりました。

それでもまだ、完全に自分を変えるには時間と経験が必要でした。

「鎧を着ている」と言われて

20代後半、ふたたび私は、核心をついた指摘を受けます。教職員研修の一環として、カウンセリングのワークショップに参加したときのことです。

ロールプレイでクライアント役をしていた私に、講師がこう言いました。

「あなたを見ていると、鎧を着ているみたい。あなたは長い間イミテーションの部分がかなりあったのではないでしょうか」

「イミテーション(にせもの)」という言葉は、まさに図星でした。当時の私は、八方美人と指摘された頃と同じように、人の顔色を伺いながら行動していたのです。ハッとする私に、次の問いが投げかけられました。

「自分と本気で、とことん向き合いましたか」

なにも答えられず、ただ涙があふれ、人前にもかかわらずつきものが落ちたように泣きじゃくったことを覚えています。

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