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「カワイイって言えよ!」地下アイドル、変えた一言 "諦めグセ"も変えた?「ヤギヌマメイ」誕生秘話

東洋経済オンライン / 2024年2月4日 8時0分

かくしてそんな適当な友達の一言から、ヤギヌマメイのアイドル人生は動き出すことになる。2016年春のことだった。

「契約書もないフリーアイドル」としてのデビュー

応募はしたものの、当然当時のヤギヌマはアイドル、ましてや地下アイドルの存在など知る由もなかった。

そしてオーディションを受けるも、募集していたアイドルグループには不合格。しかし、そのオーディションに落選した子たちでグループを作るというので、それに参加した。

曰く運営っぽい人はいたが、事務所所属ではない。契約書を交わすこともなく皆フリーとして集まっているグループだった。

今も昔も地下アイドルが「闇深い」などと言われるのは大人が関わっているにもかかわらず、契約も結ばずにグループを運営するという、こういった適当なところにあると言わざるを得ないだろう。

だが、引きこもっていたヤギヌマにとってはチャンスであり、その機を逃したくなかった。そうしてアイドルのことを何もわからないまま、ステージデビューすることになる。

「当時は今と違って、ものすごくネガティブだったんですよ。よくXとかでネガティブなこと書くアイドルいますよね。私もああいった感じだったんです。でもある時、ライブでファンの方に『カワイイね』って言われて、私それをめちゃくちゃ否定したんです。そうしたらその方にものすごく悲しい顔をされて……。その出来事で『ネガティブな自分じゃダメだ』と思ったんです」

この出来事がアイドルとしてのヤギヌマメイを大きく変えることとなった。当時のネガティブなヤギヌマがもたらしたショックな出来事だった。

「あの時のファンの表情は忘れられませんね……」

ヤギヌマ自身も深く傷ついた。褒め言葉を否定すると、ファンが傷つくということを知った。それ以来、ファンを傷つけまいと開き直り始め、その究極が「カワイイって言えよ!」という今の強気なスタイルとなった。

流されるまま「ソロアイドル」として再デビュー

デビューしたグループではメンバー間での意思疎通が上手くいかなくなり、早々に脱退。事務所所属でもなく、取りまとめるきちんとした運営がいないグループでは、ある意味当然の選択となる。

そして、一緒に抜けたメンバーと2人で組んでデビューを計画。だが、そのメンバーも、デビューワンマンライブの1カ月前に辞退を申し出て、その結果、ソロアイドルとして再デビューすることになった。

「今思えばもっと支え方とか話し合うとかあったと思うんですが、当時はできていませんでしたね。でも、なんとかデビューライブはやりたかったので、2人で組んでいたセットリストとか全部ソロで考え直してやりました」

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