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半導体業界が「就活生」に硬軟自在の猛烈アピール 展示会には企業ブースツアーやグラドルが登場

東洋経済オンライン / 2024年2月5日 7時20分

半導体業界を志すのはどのような学生か。半導体製造装置で世界的メーカーの東京エレクトロンの採用者をみると、「大学院修士卒・理系・男性」が半数を占める。

ただ、セミコンに参加した学生のバックグラウンドを聞くと、そのような紋切り型な説明はできない。

「文系の学部なんですが、日本のモノづくりに携わりたいという思いがあって。就職情報サイトからの案内メールを見て参加しました。今日は東芝デバイス&ストレージのお話を楽しみにしています」

そう話した男性は目を輝かせていた。大阪の高等専門学校に在籍しているという別の学生に声をかけると、こちらもお目当ての企業があるという。

「普段はソフトウェアを作っていますが、製造装置メーカーを中心に見ています。今いちばん気になっているのはディスコです。社内通貨制度を持っているなど独特な企業文化がおもしろいので。でも、ほかの企業も積極的に見るようにしています」

ディスコといえば平均年収が1000万円を超える企業としてメディアで着目されることが少なくない(4ページ目以降に「半導体関連企業の年収トップ50」ランキングを掲載)。だが、関心を向けるのは社内通貨制度というように、学生の企業に対する理解も進んでいる。

ツアーで各社に与えられた説明時間は1社につき10分。各ブースの説明担当者はつい話に熱が入ってしまうが、やはり時間は足りないようだ。案内役が学生に「次、行きましょう」と伝えると、説明担当者は去っていく学生を苦い表情で見送っていた。

「検査や計測機器のメーカーに興味がありましたが、ぜんぜん時間が足りなかったですね。でも今まで知らなかった企業の説明を聞くことができて満足です」

広島にある大学院の博士課程で画像・データ解析を研究しているという男性はツアー終了後、そう言って会場を後にした。中国の出身で、現地で一度就職した後に日本の大学院に入学したのだという。

学生たちの全体的な満足度は概ね良好。終了後のアンケート調査では、「ほかの就活イベントでは見られない製造装置などの実機を見られた」といった声が多く寄せられたという。半導体業界に特化した大規模な展示会の魅力のひとつといえそうだ。

長く続いた人減らしで年齢構成がいびつ

半導体関連業界の各社にとって、人手不足は今後の成長を左右しかねない死活問題。新卒採用は重要だ。

というのも、いまや日本では半導体工場が新設ラッシュ。台湾・TSMCによる熊本進出やラピダスの北海道工場建設に加え、パワー半導体各社の増産も活況。装置・材料メーカーの設備投資も、半導体産業の育成に力を入れる政府の巨額支援を背景に過去最高水準にある。

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