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日経平均は年前半3万8000円到達の可能性がある 海外投資家は一時的に日本株に失望も

東洋経済オンライン / 2024年2月5日 8時30分

では、今後はどうなるだろうか。私は短期的には前述の3万6984円(1月23日ザラバ)が当面の上値と見ている。ここから最長で1カ月程度の健全な株価下落があることも想定したい。もし調整ということになれば、今回の高値から2000円前後(5%前後)の下落は覚悟しておきたいところだ。

下落の主な理由は、海外投資家の「2つの過剰な期待」が短期的には幻滅に変わるとみているからだ。

まず1つ目は新NISAだ。海外投資家は、前出のとおり、新NISAスタートで個人投資家の大幅買い越しを期待した。だが、個人投資家は6週連続で売り越し、今年1月1週目から3週間連続で期待を裏切った。これは保有していた株式が急上昇したことで、断続的な売り(利益確定売りや、長期で塩漬けになっていた株式のやれやれ売りなど)が続いているからと推測する。一方で、今後5%以上の下落がある局面では、押し目買いに入ってくるとみている。

2つ目は、「東証の低PBR改革による一覧表公開」への期待が一巡することだ。海外投資家は、さらなる改革進展によるサプライズを期待しているようだが、実は次回の2月15日の一覧表公開後は半年先の8月まで開示件数の増加ピッチが鈍くなることが事実上判明している。このことで東証の改革に期待していた投資家が、一時的にがっかりするのではないか。これが今回の配信で最も言いたいことだが、まだ市場参加者の多くは、この事実に気づいていないのではないのかと心配している。

東証は2023年3月から東証プライム市場とスタンダード市場の上場企業に対して、再三「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」としてPBRの改善を求めてきた。

同年8月29日には、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を踏まえた開示状況を集計して公表。さらに今年1月15日にも最新の状況を公表、マーケットに影響の大きいプライム市場では49%が開示した(対象の1656社中815社、検討中の9%分155社を含む、昨年12月末時点)と発表している。

検討中の9%を除いた「開示40%」という数字は昨年夏の20%から一気に2倍なった勘定だが、この理由は東証が「2024年1月15日から取り組みを開示した企業名を毎月公表する」と企業にプレッシャーをかけたためだ。これによって、昨年末までに取り組み等を開示する企業が駆け込みで急増した。

この改革の進捗状況が急増する一気に進むと期待した目ざとい海外投資家が、年初から一気にプライム市場の株式を買ったため、日経平均は急騰したのだ。

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