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15年かけ「四国お遍路」やり遂げた人が語るリアル いろいろかかるが「宿と食事は節約可能」

東洋経済オンライン / 2024年2月6日 12時20分

課題は四国までの交通費だ。筆者は東京からフェリーを使ったので、その往復費用が相当額かかってしまった。それゆえ1~2年に1回ずつのペースになり、結願まで10年以上かかったわけだ。歩き遍路でない限り、どうしても札所間の移動がネックとなる。これぞという節約法が思いつかないのは無念だ。

地元イチ押しスポットを発見しながらの旅

四国までの交通費はかかるが、お遍路中はそれほどお金を使わない。お寺に行くだけなので、大量に土産物を買うこともない。とはいえ、回っているうちに知らなかった観光スポットに遭遇することもある。今ではすっかりメジャーになった徳島県祖谷のかずら橋も、お遍路旅の途中で寄った(歩き遍路では通らない場所なのであしからず)。

金運を願いたいなら、香川県観音寺市の68番69番近くにある「銭形砂絵」は必見だ。有明浜の白砂に巨大な「寛永通宝」が描かれているのだが、大きすぎて展望台に上らないと全容がわからないほど。この砂絵を見れば健康で長生きし、お金に不自由しないと伝えられているそうで、筆者は2回も見に行ってしまった(無料である)。

鉄道好きにおススメなのは、JR伊予西条駅に隣接する「鉄道歴史パーク in SAIJO」。旧制西条中学出身で、第4代国鉄総裁として”夢の超特急”東海道新幹線の建設を実現した十河信二氏にちなみ、初代0系新幹線やC57形蒸気機関車など国鉄時代の車両が展示されている。運転席に乗り込むこともでき、乗り物好きにはたまらない。入館料が大人300円と激安のうえ、有名どころの鉄道博物館のように混雑していないのもいい。

なお、西条市は「うちぬき」という湧き水に恵まれた水の都でもある。中心部を水路が巡り、澄み切った水の流れを見ながら散策するのが楽しい。そこここに湧き水スポットがあり、港には海中から清水が湧き出る摩訶不思議な「弘法水」まで。西条市は本当に美しい街で、何度も訪れた。お遍路で四国を回ってこその発見だろう。

地方移住の下見にもなるお遍路

お遍路では徳島から高知、愛媛、香川と四国をぐるり一周する。何度も通ううちに、その土地の買い物事情や物価、公共交通機関の状況なども頭に入る。観光地を巡るだけでは見えてこない、生活者目線が備わってくる。以前は四国と聞いても徳島の阿波踊りや高知の桂浜、松山の道後温泉くらいの知識しかなかったが、回るうちに先に書いた西条市や、生活航路としてのフェリーが現役の高松市のファンになった。

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