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部屋で死亡も「低体温症」からわが身を守る室温は 明け方の温度に要注意、寝るときの靴下はNG?

東洋経済オンライン / 2024年2月6日 11時40分

室内で亡くなるというと夏の熱中症が浮かぶかもしれませんが、低体温症は日中は18℃以下、夜間は15℃以下の室温で発症しやすく、7割以上は室内で起こっています。その多くは65歳以上の人です。

冷えを自覚される方はとても多く、日中はさまざまな対策を講じている方がほとんどです。しかし、夜の寝室の環境にはほとんど無頓着で、せいぜい温かい布団や寝具を選ぶくらいです。

大抵は、「寝るまでエアコンをつけて部屋を温め、寝るときに切る」という感じではないでしょうか。

先日も、夜間頻尿と夜の咳で相談にいらした70代男性に寝室の環境を聞いたところ、「温度は計ったことがないし、布団は上質のものを重ねているから寒いと感じない」とのことでした。そこで温度計と湿度計をつけて、起床時の温度と湿度を確認してもらったところ、室温が13℃、湿度が35%でした。

15℃以下の室温だと、低体温症になる危険が大きいです。また、この方のように夜間頻尿で何度もトイレに行く場合、暖かい布団から出て寒い室内とトイレを往復することでヒートショックが起きやすくなります。

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が乱高下したり脈拍が変動したりした結果、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす現象です。大きな温度差は体へのダメージが大きく、特に高齢になると致命傷になりかねません。

寒暖差の大きい脱衣場や夜間のトイレで倒れて救急搬送される例は、とても多いのです。

また、吸い込む空気が冷たいのも体を芯から冷やす原因になります。

特に明け方は寒さが極まります。エアコンを付けっぱなしにすると乾燥で喉を痛めることが多いので、加湿器を併用するか、乾燥させずに部屋を温めるパネルヒーターを使うのがお勧めです。

寝室の環境の理想は、温度が18℃(16~19℃)、湿度が40~60%です。18℃というと日中では少し寒い設定温度ですが、布団をかぶってちょうどよい温度です。暖かすぎても寝汗をかいて結果的に冷えますので、このくらいがいいのです。

私自身も夜、寝るときは18℃設定にタイマーをかけて、パネルヒーターをつけておきます。すると、明け方から温度が徐々に上がり、朝は18℃くらいになります。布団は冬にしては薄いものを使っていますが、寒さで目が覚めることはなく快適です。

寒いからと寝ているときの靴下を履く方もいますが、足の指が自由に動かせなくなるうえ、血流が悪くなるのでお勧めしません。靴下で足がむれると冷えにもつながりがります。

思っていることを表に出さない

四気調神大論篇は、冬の対策の1つとして「心の持ち方」を指南しているのも面白いところです。それは「心(思っていること)を表に出さない」ということです。

計画していることや希望を、周囲にふれ回ったりせず、心に温存しておくべきということなのですが、これはずっと黙っているということではなく、自然界と同じで、春の芽吹きまで待つということです。

「もう欲しいものなどない。十分だというふりをしなさい」とあります。

冷え対策はただ温めればいい、ということではなく、さまざまな状況に合わせて対応していくことが大切。気をつけても対策を行っていても冷えがひどいという方は、思わぬところに冷えの原因を作っているかもしれません。これを機に見直してみてはいかがでしょうか。

平地 治美:薬剤師、鍼灸師。 和光鍼灸治療院・漢方薬局代表

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