24時間テレビ「再発防止策」は延命措置にすぎない 募金着服問題に進展…と言えるのだろうか?
東洋経済オンライン / 2024年2月6日 17時30分
日本テレビ系列「24時間テレビ」の募金着服問題をめぐり、規約策定や人員配置などを盛り込んだ再発防止策が発表された。
筆者は問題の公表当初、この事案に触れながら、24時間テレビのスタイルそのものが、すでに今の時代には合っていないのではないかとの見方を示していた。今回の発表内容をながめて、さらにその思いは強くなった。
再発防止策は、あくまで「延命措置」でしかない。むしろ番組終了の決定打にもなり得ると考えている。
そこで本稿では、募金着服問題を改めて振り返りつつ、再発防止策について解説していきたい。
日本テレビ系列「24時間テレビ」募金着服問題
山陰地盤の日テレ系地方局「日本海テレビ」(鳥取県)は2023年11月、同社の元経営戦略局長が、売上金など約1118万円を着服していたとして、懲戒解雇処分を行ったと発表した。着服金には、24時間テレビに寄せられた寄付金も、約264万円含まれていた。
着服は2014年から2020年、そして2023年に行われ、募金終了後に本社内で保管していた募金の一部を、元局長自身の銀行口座に入れていたという。この問題は各社が報じ、「10年間も気づかないなんて」といった驚きの声とともに、番組そのものの信頼感が損なわれたという指摘も相次いだ。
それから約2カ月たった2024年2月、日テレ系31局で構成される公益社団法人24時間テレビチャリティー委員会は、内部調査の結果と、外部弁護士を含む不正防止対策チームの助言を基にする再発防止策を発表した。
調査は放送局関係者283人に、電話や対面で行われた。結果として、新たな着服事例は確認されなかったものの、寄付金の紙幣を両替に用いた事案と、寄付金入りの封筒の紛失が「不適切な取り扱い」として報告されたという。
これらを踏まえて、新たに示された再発防止策は、大きく4つに分けられる。
まずは「寄付金取り扱いに関する規約」と「募金活動実施細則」の策定。ここでは、対面会場でのキャッシュレス募金の導入や、寄付金入り容器の規定シールによる封印、対面会場への警備員もしくは監視カメラの設置、2人以上での寄付金運搬作業・台帳管理の徹底などが定められた。
2つ目は、現金の運搬・管理をアウトソーシングする「専門業者への委託」。第3が、放送当日の「募金活動のモニタリング調査」。最後に、外部弁護士による調査を行うため、一定期間設置される「24時間テレビ不正通報窓口」だ。
問題の"本質"が見えていない日本テレビ
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