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「受験に落ちた子」に親がやってはいけない3行動 結果で評価するのではなく、成長を認めること

東洋経済オンライン / 2024年2月8日 7時0分

例えば、高校受験の進路を決める際、子どもの意思を尊重せずに、親が誘導したり、決めたりすることがあります。すると子どもが高校に進学した後、何か思わしくないことがあると、「この高校には行きたくなかった」と言い、選択した親の責任にしていきます。相談者の倉持さんは、これまで何でも判断してきたと思います。生活面や文房具や塾、教材、スケジュールなどすべて。しかし、今後は子どもに判断させるよう徐々に移行してください。

判断の仕方は、親が選択肢を出し子ども自らが選択する形が自然です。

例えば、宿題するという選択と宿題をしないという選択があるとします。その選択肢のそれぞれについてメリットとデメリットを話します。

1)宿題するという選択


メリット:「学力は上がる、先生には怒られない」
デメリット:「自分の自由時間は減る」

2)宿題をしないという選択
メリット:「自由時間が増える」
デメリット:「先生に怒られる、成績が1段階下がる」

ここまで伝えてはじめて「選択肢を出した」ことになります。そしてこれに基づいて、子どもが「選択」します。その際、親は誘導しません。「宿題はやったほうがいいと思うけどね」などと言えば、子どもの天邪鬼的傾向により「やらない」を選択してしまうことがあるため、あくまでも選択肢は公平に出します。そして、選択した子どもに「責任」が生じるため、このプロセスを通じて、子どもの判断力が育っていきます。

【やめること その3】 指示・命令・脅迫・説得する

これら4つは子どもの心にまったく響かないどころか、反抗、反発を招く4大要素です。思春期になると、それがさらにはっきりしていきます。

子どもによっては、親の指示、命令を受け取ることに慣れてしまう子もいます。自分で考えることもせず、反抗もせず、ただプログラミングされたロボットのように。一見、親の言う通りに動く子を肯定的に認識してしまい、指示、命令は問題ないと思う場合があるかもしれませんが、筆者は逆に心配になります。子どもは皆、個性があり、自分の感性、考え、意見を持っています。それを素直に出していける人間になるのが、教育の重要な役割だと思っているからです。

指示・命令・脅迫・説得が良くないというのであれば、どうしていけばいいでしょうか。それは、子どもと雑談をテーマとしたコミュニケーションの頻度を上げることです。

親子関係も良好になり、子どもも伸びる

ただし注意することは、コミュニケーションのテーマです。子どもが話したくないテーマであると口だけでなく、心も閉ざしていきます。例えば、「勉強」「宿題」「先生」「学校」というキーワードが子どもの心にネガティブな言葉として定着している場合、それをテーマに話をしていくと、ほぼ間違いなく心を閉ざしていきます。ですから、テーマは雑談がいいのです。その頻度をあげていくと、会話の途中で子どもから、勉強の話や学校の話が自然とでてきます。そこではじめて子どもとそのテーマについて話をしていけばいいでしょう。

以上、倉持さんに必要なことをまとめると、次のようになります。

「子どもを結果で評価するのではなく、成長を認めること」をしたうえで「親がいつまでも何でもやらない」「親が何でも判断しない」「指示・命令・脅迫・説得をやめる」。

これまでの子どもへの対応から大きく変わると思いますが、できる範囲で実践してみてください。すると、親子関係が良好になるだけでなく、子どもはぐんぐん勝手に伸びていきます。

石田 勝紀:教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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